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【腐】スカーレットサイン【モジュカイ】後編

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「・・・・・・説明してくれないか、蒼雪」

疲労の色が濃く滲んでいるシアンの顔に、蒼雪はぼんやりとした視線を向ける。首を傾げ、少しの沈黙の後、

「保管庫の近くで、ジェネラルを見かけました。様子が変だったので後をつけたところ、気づかれたようで彼に襲われました。もみ合いになって、ジェネラルは腕を負傷。そのまま姿を消しました」
「そうか」

シアンは、長い長い溜め息をついた。
発砲音に駆けつけた職員が見たのは、空っぽになった保管庫と、仰向けに倒れている蒼雪。ジェネラルは姿を消し、蒼雪の服に血がついていた為、ジェネラルが保管庫の封印物を持ち出し、蒼雪を襲ったのだと噂が流れていた。

「噂が流れてる。バーミリオン支部を襲ったのは、ジェネラルが持ち出した異形の仕業だと。本当のことだろうか?」

蒼雪は無言で手を伸ばし、机の上に置いてあった名刺入れをまっすぐに直す。重苦しい沈黙の中、シアンは再び溜め息をついた。

「・・・・・・それでも、彼のおかげで、多くの命が助かったのも事実だよ」

蒼雪が答えないでいると、シアンは無理矢理笑顔を作って、

「良い知らせもあるんだ。サイレンスが目を覚ました」
「・・・・・・」
「まだ動けないけれどね。でも、これで少しは気が楽になるよ」
「・・・・・・」

シアンは気まずそうに身じろぎして、それだけだと告げる。蒼雪は頭を下げ、部屋の外に出た。



廊下に出ると、紅葉とシザーズが立っている。紅葉が声を掛けようとして、シザーズに引き留められた。蒼雪は少し考え、

「サイレンスが、目を覚ましたそうだ」
「そう、良かった」

シザーズがぶっきらぼうに答える。

「ヴァイスは知ってる?」
「ああ・・・・・・いや、どうだろう? 知らせてくる」

蒼雪は二人に背を向けて、礼拝堂へと向かった。