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【腐】スカーレットサイン【モジュカイ】後編

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目を開けると、ぼんやりと見慣れた景色が見える。それが自室の天井だと気づいた時、横から声が聞こえた。

「あ、起きた?」

視線を向けると、ジェネラルが椅子に座って足を組んでいる。いつものように、人を小馬鹿にしたような見下したような目。

「・・・・・・暇なのか?」
「暇だよ。支部長命令でね。敷地内から出るなってさ」

その言葉に安堵して、蒼雪は腕を伸ばした。ぼんやりと天井を見上げながら、自分は、何故横たわっているだろうと考える。
徐々に意識が鮮明になり、やっと事態を飲み込んだ。慌てて身を起こし、

「サイレンス達は!?」
「二人とも無事だよ。面会は出来ないけどね。はい、服」

ばさっと投げつけられた衣類一式を見て、自分が何も身につけていないことにやっと気がつく。一瞬で、耳まで熱くなるのを感じた。

「えっ!? なっ!!」
「慌てなくていいよ。異形が出ても、僕らは動けない。全員出動停止だ」
「え?」

ジェネラルの言葉に、羞恥も忘れて顔を上げる。相手は頷き、全員だ、と繰り返した。

「支部長命令でね。他の支部と相当やり合ったみたいだ。服を着たら、慰めにいってあげな」
「・・・・・・・・・・・・」

ごそごそと布団の中に服を押し込み、頭から潜り込む。

「何やってんの? 子供みたい」

ジェネラルの呆れた声に、不機嫌な唸りを返した。同性なのだから構うことはないと、頭では分かっている。けれど、これ以上、彼の前で肌を晒すのは・・・・・・

「ねえ、まだあ?」
「うわあ!!」

突如めくられ、蒼雪は声を上げて、掛け布団を取り返した。

「ふざけるな!!」
「ちょっと、女の子みたいな反応しないでよ」

口元を押さえて笑いを堪えているジェネラルに、蒼雪は舌打ちしながら、残りの衣服を身に付ける。

「ねえ、そんなに僕のことが好きなの?」

唐突に聞かれて、蒼雪はぎょっとして顔を上げた。視線の先には、ジェネラルのニヤニヤ笑う顔。

「いいよ、おいで。キスしてあげる」

誘うように人差し指を唇に当てるジェネラルに、蒼雪は一瞬目を奪われ、我に返って顔を背けた。

「ふ、ふざけるな! 誰がお前なんか」
「そう? 残念」

クスクス笑う声に頬が熱くなるのを意識しながら、蒼雪は急いで身支度を終え、ベッドから降りる。