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【腐】スカーレットサイン【モジュカイ】後編

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「がらんとしましたねえ」

泣きはらした顔のモモを膝に抱いて、ヴァイスが呟く。食堂にいるのは、モモとヴァイス、蒼雪とサイレンスだけ。
サイレンスはお茶を淹れながら、時折ヴァイスの様子を伺っている。二人の間には、まだぎこちない空気があった。

「今夜から、モモと二人だけですね」

ヴァイスの言葉に、蒼雪は「いや」と言葉を重ねる。

「今夜から、俺とサイレンスは、こっちに移るから」

ヴァイスとモモだけでなく、サイレンスも驚いたように蒼雪を見た。蒼雪は知らん顔で、使わないと勿体ないと続ける。

「もっと早くそうするべきだった。君はもう、一人ではないよ」

ヴァイスの視線が、蒼雪からサイレンスへと移った。今にも涙を零しそうなサイレンスに、ヴァイスはふわりと笑顔を浮かべる。

「そう、それなら、寂しくないですね。ねえ、モモ?」
「うん!」

モモが明るく返事をして、サイレンスは堪えきれないように背中を向けた。モモは驚いたのか、ヴァイスと蒼雪を交互に見上げる。蒼雪は大丈夫と言いながら、手を伸ばしてモモの髪を撫でた。



ヴァイスの家族は、シアンの罷免後、支部を訪れている。ヴァイス本人との面会は危険だと判断された為、貧乏くじを引かされた蒼雪は、腰が引けつつも、ヴァイスが残ることを希望していると告げた。法衣に身を包んだ父親は悲しげに眉を寄せたが、「分かりました」と頷く。

「神があの子を必要としているのなら、私達は耐えるだけです」

家族はヴァイスの現状を知らないのだと、蒼雪は衝撃を受けた。真実を知った時、彼らはどのような反応をするのだろう。シアンのように、恨みを抱くだろうか。

「息子に伝えてください。離れていても、私達はいつもお前を思っていると。私達の魂は、常に共にあると」

その言葉を、ヴァイスに伝えられる日が来るのだろうか。
けれど。

「ご安心ください。息子さんは、必ず守ります」

決意を込めて、蒼雪は家族に請け負った。二度と、同じ悲劇は繰り返さないと。家族の安心したような表情に、蒼雪は改めて気を引き締める。