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【腐】スカーレットサイン【モジュカイ】後編

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神の子だけでなく、多くの職員も去っていった。世間から糾弾される仕事に見切りをつけ、再出発の道を選ぶ者を、止めることはできない。
残った僅かな職員の力になろうと、蒼雪とサイレンスも駆けずり回る日々だった。

「やあ、蒼雪の顔を見るのは、久しぶりだ」
「お久しぶりです、グレイさん」

医務室に一人、グレイはやつれた顔で、蒼雪に向かって手を挙げる。

「お疲れのようですね」
「疲れたよ。大半が逃げたからね。泥船に残ってるのは、数人の馬鹿だけだ」

グレイの自虐的な言葉に、蒼雪は同情するように頷いた。何処も人手不足なのは変わらない。
少しの沈黙が流れ、グレイが椅子にもたれながら、支部長のことだけどと切り出した。

「後悔してないか? 彼が、罷免されて」
「どうでしょう・・・・・・もっと早くに動いていれば、違う結果になったのでしょうか」
「それこそ、神のみぞ知る、だな」

また沈黙が落ちる。グレイは天井を見上げて、「証拠はあったのか?」と聞いてくる。

「本人が全部喋ったから、スムーズにいったけどさ。もし否定されたら、どうするつもりだった?」

蒼雪は首を傾げ、グレイを見つめた。くすんだ灰色の髪と、少し不釣り合いな青い瞳。

「貴方が、助けてくれます」
「何だそれ」
「告発するに足る証拠は、貴方が持っています」

グレイは体を起こして、蒼雪に向き直った。真っ直ぐな視線が、蒼雪に向けられる。

「何故、そう思う?」

蒼雪は口を開き掛け、躊躇った。目の前の医師に対して感じているのは、嫉妬だろうか。彼が命がけで守ろうとしたのは・・・・・・

「貴方が、ジェネラルの「神の子」だからです」