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【腐】スカーレットサイン【モジュカイ】後編

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直ぐに、いつもの表情に戻る。小馬鹿にしたような、見下したような目。

「気にしないでいいよ。蒼雪には関係ないこと」
「ふざけるな。一人で抱え込むなと言っただろう」

強い口調で言うと、ジェネラルは首を傾げ、薄く笑った。

「じゃあ、キスしてくれたら教えてあげよう」
「は?」
「ふふ、冗談だよ」

するりと腕を抜かれ、ジェネラルは床に降り立つ。

「君は、モモのことだけ考えな」

場違いなほど穏やかな声に、蒼雪は頭に血が上るのを感じた。強引にジェネラルを引き倒すと、馬乗りになる。

「ちょっと! 重い!」

抗議の声を無視して、相手の頭を両手で押さえ込んだ。喚く声が一瞬途切れた隙に、無理矢理唇を奪う。
柔らかな感触と、布越しに感じる体温が、同性相手であることを忘れさせた。ジェネラルは諦めたのか、暴れることも押し退けることもなく、なすがままになっている。蒼雪はそっと両手を離し、相手の背中に腕を回した。抱きしめ、舌を絡め、僅かに唇を離しては、また押しつける。
どのくらいそうしていたのか、ジェネラルがぽんぽんと腕を叩いてきた。

「そろそろ、モモの面会に行ってあげな。退屈で干からびてるだろうから」

優しく諭すような口調に、蒼雪は弾かれたように体を離す。慌てて口元を拭うと、ジェネラルが盛大に吹き出した。

「あっ、ごめん。うん、蒼雪のそういうとこ、好きだよ」
「・・・・・・・・・・・・」

耳まで赤くなっているのを自覚して、蒼雪はジェネラルに背を向ける。何か言わなくてはと焦るほど、言葉が出てこなかった。

「じゃあ、約束だから、教えてあげよう。あれは実験だよ」

唐突なジェネラルの言葉に、蒼雪は訝しげに振り返る。相手は真面目な顔で、「実験なんだ」と繰り返した。

「封印された異形を解放する実験、そいつらをひとまとめにして、より強大な異形を作り出す実験。あれが試作品だとすれば、時間は余り残されていない」
「・・・・・・何の話だ?」

ジェネラルは薄い笑みを浮かべながら、蒼雪の首に腕を絡めてきた。間近に迫る、真紅の瞳。

「自分の頭で考えて」

そう言い残し、するりと部屋を出ていった。