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【APH】無題ドキュメントⅡ

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子どもの青が空色に揺らめき、また冴えた青に戻る。一瞬、子どもの顔に遠き昔、あれは何度目の十字軍遠征だったか、皇帝の傍らに立つ黒いマントを羽織った小さな子ども。乾いた大地に立ち、前を見つていた子どもの目は見たことのない青い色をしていた。この子どもはやっぱり、神聖ローマなのではないかとプロイセンは思う。
「…約束したんだ……でも、誰とだった…のかな?…なんで、おれ」
「んで、天使は腐れ坊ちゃんじゃなくて、俺を選んだんだな!流石、天使、見る目が、…ケホッ」
何やらぐるぐると回り始めた子どもの意識を断ち切ろうと、プロイセンは声を張り上げて、咽る。それに子どもは我に返ったように立ち上がると、咽るプロイセンの背中を撫でた。
「いきなり、大きな声を出すな」
「…ハハハ」
子どもは眉を寄せる。その顔に先程まで揺れるようにして現れた青はない。それにひっそりとプロイセンは胸を撫で下ろした。

…生まれ変わって、神聖ローマとしての記憶を失っているのだとしたら、思い出さない方がいいだろう…。苦しいことばかりだっただろうしな…。

神聖ローマが弱体化していったのは、自分にも責がある。でも世は弱肉強食…弱いものは強いものに食われるのがこの世の理だ。

「天使」
「天使ではないと、何度言えば解るんだ」
ベッドに膝をつき、睨む子どもの髪をプロイセンはぐるぐる巻きに巻かれた包帯の重い腕を持ち上げ梳く。それにびくりと驚いたように子どもの身体が硬直する。それを構うことなく、プロイセンは柔らかで今の自分の目には眩しい金を梳いた。

「…ルートヴィッヒ」

びくりとまた子どもが身体を震わせる。プロイセンはそれに笑みを零す。…ああ、こんなに穏やかなやさしい気持ちになったのは、いつぶりだろうか?さらりと落ちてゆく金糸に思う。
「…今はまだ名前は付けてやれない。でも、近いうちにちゃんとした名前を。…俺のライヒ」
「……解った」
恐る恐るといった感じに子どもが手を伸ばし、プロイセンの身体を抱きしめる。プロイセンはそれに目を細めた。…が、
「…お、お父さん…」
ぎゅっと抱きついてきた子どもが漏らした言葉にプロイセンは目を見開き、絶句した。
「え?!」
思わず、プロイセンはばりっと子どもを引き剥がした。
「…今、なんて?」

「お父さん」

「……それは、やめて!」
作品名:【APH】無題ドキュメントⅡ 作家名:冬故