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無未河 大智/TTjr
無未河 大智/TTjr
novelistID. 26082
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D.C.IIISS ~ダ・カーポIIISS~

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 案の定彼―芳野清隆は驚く。そして再会した少女達も同じく驚く。遅れて到着した可憐を見て、もう一度清隆と立夏が驚く。驚く六人に一通り説明を施し、可憐も同じく転生した者であると告げた。
 その後俺達はさくら達に混ざり花見を楽しむ。花見は夕方まで続いた。
 俺も含めて明日は学校や仕事があるということもあり、今日はおひらきとなった。
 その帰り道。
 俺と可憐はいつものように手を繋いで家路についていた。途中、可憐は思い出したように俺に聞いた。
「ユーリさん、今日久しぶりに皆と再会してどうだった?」
「……そうだな。懐かしい半面、違和感が多かったよ」
「そうだよね。立夏さんや清隆君なんて違和感凄かったよね」
「ああ。そういえば、立夏の口から『かったるい』って言葉を聞かなかったな」
可憐は少し笑って、話を続けた。
「あの人と言えば『かったるい』みたいな物があったのにね」
 俺も笑って頷いた。もしかしたら、立夏は今頃くしゃみをしていることだろう。
「それにしても、やっぱり懐かしいものだな。あいつらの顔を見たら、風見鶏の頃を思い出したよ」
「うん、私も思い出した。でも皆はまだ断片的にしか思い出せないんだね」
「それはお前が特別なんだよ。全部憶えているなんて、普通はありえないからな」
 そういうと可憐は一度立ち止まって照れ臭そうに笑い「それは、ユーリさんへの想いが強かったからだよ」と、恥ずかしいことを言ってのけた。流石に俺もこれは予想外で、恥ずかしさから赤面してしまった。同じく可憐も頬を桜色に染めた。どうやら可憐も恥ずかしかったらしい。
「まあ、そういうことにしておくさ」
「はい、そうしてください」
 そしてお互いに微笑み合うと、可憐はいつもの笑顔で俺に話しかけた。
「これからも宜しくね、ユーリさん」
「ああ。宜しくな、可憐」
 これから俺は風見学園の教師として、可憐は夢であったという考古学者としての道を歩み出す。
 だが俺達はこれからは二人だ。二人ならば何も怖くは無い。
 俺達は再び歩き出した。これから始まる、新しい未来へと向かって。


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