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流れ星 2

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  「え?」

ユキは寝る前にメールを見ようと思って驚いた。軽く50を超えるメールが届いていたから。その中に進のメールを見つけてそれを開く。

  <ユキ、このメールちゃんと見てくれるかな?他のメールに埋もれて見れな
   いんじゃないかな?
   仕事で忙しいのに式の事、ありがとう。南部から連絡来てさ。南部、相原にも
   連絡したから相原からクルー全員に結婚式の報告をしたんだと。だから
   今頃おめでとうメールがいっぱいで読むの大変だろうと思ったんだ。

   こうしてユキにメールしてる間にもメールバンバン入って来てるからユキは
   もっと入ってるだろうな。


   結婚式はユキの好きなようにしていいよ。無責任で言ってるんじゃないんだ。
   離れてるしどうしたらいいか判らない、っていうのが本音なんだ。
   多分ユキの事だから本当はひっそりやりたい、って思ってるはずなんだけど
   やっぱり立場上、仕方ないらしい。(相原談)だから本当のお祝いは二次会で
   クルーだけだと思えばいい、ってさ。俺はキレイなユキをお披露目できるから
   いいかな、ってちょっと思うようになった。みんな羨ましそうに俺を見るんだ
   ろうな、とかいろいろ考えちゃったよ。

   一緒にドレスも選べないし披露宴の相談も一緒に行けない。本当に情けない
   男だと思うけどその代り地球にいる時はずっと一緒にいたいと思ってる。
   それだけは忘れないでほしい。

   あ、島からメールが入った。あいつだけは絶対素直におめでとう、って
   言わなさそうだな~。


   メールのチェックは適当にして早く寝ろよ?じゃ、また。>



ユキは苦笑いしながら進のメールをもう一度読んだ。そして進より前に届いていた真田のメールを開く。

  <ユキ、おめでとう。古代と同じ艦に乗ってる相原から結婚式の日取りが
   決まったと連絡があった。あのまま行って決めてきたんだな。よかったよ。
   ユキは誰よりも幸せになる権利がある、と俺は勝手に思っている。
   それはユキが誰よりも古代の事が好きで古代を支えてきたからだ。
   俺はユキがいなくなってしまった時の古代を知っている。あいつはユキだけが
   支えなんだ。肉親全てを失って護るものが無くなって荒れていた古代の心を
   変えたのはユキなんだ。
   古代は俺の弟分、ユキは俺の妹分。そんな二人が一緒になるって思うと
   俺は本当に幸せ者だと思う。

   当日、楽しみにしてるからな。急な出張がない限り、24時間体制でラボに
   いるからいつでも来い。>


真田らしいストレートなメールだった。ユキの大きな瞳から涙が零れ落ちる。

  (真田さん、ありがとう。)

ユキはその一言だけをメールに乗せて送った。












  「ん?」

島はシャワーを浴びた後、メールを開いた。

  「相原から?なんだ?」

島がそのメールを開く

  <ヤマトクルーの皆様へ

   緊急のお知らせです。軍の端末には送れない内容なのでこちらでご案内します。

   先日婚約を発表した艦長代理の古代と生活班班長のユキさんの結婚の日取りが
   決まりましたのでご報告します。

   9/8、現在建築中の南部ホテルで行われます。披露宴の前にチャペルでの
   挙式があります。こちらは自由に見れますのでユキさんのドレス姿を一目
   見たい、という方はこちらからご参加ください。披露宴まで少し時間があり
   ますがその辺りは適当に時間をつぶしましょう。


   そして披露宴が終わった後クルーだけで二次会を開催します。場所は同じ
   南部ホテルのバーにしました。もしご希望とあればホテルの部屋を予約します
   のでご一報ください。ただし誰と相部屋になるかはくじ運次第、ですから
   こちらの苦情は一切引き受けませんのであしからず、です。


   現在艦長代理は輸送船団の護衛艦で艦の中、の生活をしております。ちなみに
   私、相原義一は同乗しております。が、ユキさんも多忙、古代艦長代理は
   地球に不在という事で南部と私がこの話を進めて参りますので問い合わせ、
   南部ホテルの宿泊に関しましてはメールでご一報くださいませ。


   そうそう、二次会は南部の父上のご厚意で時間制限なし、となっております。
   寮に戻れる理性のある方は部屋は予約しないで大丈夫でしょうが余りアルコー
   ルに強くない方やヤケ酒をしたい方はお部屋を取る事をお勧めします。

   それではご連絡お待ちしております。>





作品名:流れ星 2 作家名:kei