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流れ星 2

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真田はユキを送って来てラボに戻ると自分の端末を開けた。そしてヤマトの技術班のクルー全員向かいメールを作成した。

  <この度、艦長代理兼戦闘班長古代と生活班長森の結婚式の日取りが決まり
   通信班の相原からメールが届いているはずだ。
   周囲がやっと静かになりふたりで歩き出そうと決心したところだ。
   ふたりの事をいろんな人に聞かれても興味本位で他言したり詮索しないよう
   大人な対応をとってほしい。以上だ>

真田はこのメールで何事もないよう願いながら一斉メールを送った。








  「森さんから返事が来てる。」

上村はドッグで新造艦の電気系統をチェックしていた。特殊な端末を片手にコンピューターラインに繋ぎハーネスの組違いがないか確認していた。

  (なんだよ、これ。古代は飛んでるんだし俺の告白聞くぐらいたいした事
   ないだろう?告白される事なんて慣れっこなんじゃないのか?)

ちょっとむっとしてるとクルーからメールが何本か入っているのに気付く。

  <上村、ショックだろう?とうとう森さん決意しちゃったなぁ。>
  <お前、諦められるか?ってか諦めてるよな?>

親しかったヤマトのクルーからだった。

  (諦めきれねぇよ。まさか息を吹き返す、なんて思ってもみなかったし。)




ヤマトが地球を飛び立ってまだ間もない頃、ユキは知り合いが真田と佐渡しかいなかったので時間があると真田のいる工場によく顔を出していた。上村は当時ユキがよく工場に来るのが嬉しくて用事がなくても工場にいて非番の時も作業があれば手伝っていた。上村も最初は真田と付き合っていると思っていたがどこからともなく流れてくる噂を聞いた。ユキが好きなのは古代か島じゃないか、と。

気付けばユキが進と一緒にいるのをよく見かけたり側面展望や食堂で島と一緒に食事をしているのを見たりすると噂は本当なのか?と何度も確かめたいと思った、が、そんな勇気もなく気付くとイスカンダルを出発していた。

激しい戦闘で生き残ってホッとしたのもつかの間で今度はコスモクリーナーDの組み立てで技術班はフル稼働だった。それを手伝ってくれたのは生活班だったがユキは生活班の仕事より看護士としての仕事をメインに第一艦橋と艦長室に詰めていることが多かった。

技術班はいくつか担当が分かれていた。ヤマトの心臓部のエンジンは全員で点検していたがヤマトの台所の“ヤマト亭”の厨房や“ヤマト農園”のシステム管理、“ヤマト貯蔵庫”の空調管理などその担当は多岐に渡る。上村が担当してたのは“ヤマト農園”だったから生活班との接点が多かった。が、午後の2時から3時まではヤマト農園は出禁、と農園の担当者に陰で通達が回った。詳しく聞くとその時間はユキがよく出入りをする時間帯で農園の隅で育ててる花を艦長室に飾る為に手入れをするらしいと聞いた。

チャンスと思った上村は生活班からなぜ出禁か問い詰めると‘森さんと古代が密会してるから’と返事をもらった。そして第一艦橋の後ろにある後部展望室も出禁と聞いた。ほぼ介護状態の沖田艦長を診た後ユキがそこに立ち寄るから進がよく行くらしい、と。
それと同時にユキに告白して玉砕するクルーの噂も聞くようになった。つまりユキは告白されて軽く付き合おう、とかそんな事は全く考えず進から告白されるのを待っている、という事だ、と気付いた。

  (脈ナシで告白するのもどうよ?)

上村はそう思っていた。



しかしガミラスの総統、デスラーが白兵戦を挑んで来た時自分たちが組み立てたコスモクリーナーDを作動させ不具合でユキが死んでしまった事を聞いて人間の儚さを知りなぜ告白しなかったんだろう、と後悔していた。





せめてユキの亡殻に告白したくても片時も離れず進がいたのでユキの遺体が安置されている部屋に入る事も出来なかった。





作品名:流れ星 2 作家名:kei