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桑野みどり
桑野みどり
novelistID. 52068
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Solid Air(後編)

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フランソワーズなしでは、離れた場所の状況を知るすべはない。ジェロニモはこのあと事態はどのようになるだろうかと考えた。
ジェットの治療許可が急におりたのは、許可を出さないよう邪魔していた人物が失脚したことによるものだった。おかげで誰も咎めを受けることなく、堂々と治療を続けることができる。また、勝利した側の勢力は、敗北した側を軍法会議にかけ、罪を追及する構えのようだ。民間人攻撃事件を軍が明らかにするつもりなら、ジェットは貴重な証言者として保護されるだろう。
勝利者側はついでに、グレートがジェットを実力行使で奪還したことも黙認してくれたらしい。
(このまま無事に済めばいいが…)
何もなければ、自分たちの役目は終わりだ。酷なようだが、部外者がこれ以上立ち入ることはできない。ジェットがアメリカ空軍の一員である以上、それがけじめというものだ。
何よりもジェット自身が介入を拒むだろう。本当は、こうして自分たちが助けに来たこと自体、彼の思惑に反するのかもしれない。

(ジェットは、何でも一人で抱え込みすぎる…)
以前はそんなふうではなかったはずだ。年月が彼を孤独にしてしまったのか。それとも自分たちはもう辛苦を分かち合える仲間ではないということなのか。

ジェロニモが物思いにふけっていると、グレートから通信が入った。
『005、そちらの様子はどうだ?』
「…003がかなり参っている。今は仮眠させているが」
ジェロニモからおおよその話を聞くと、グレートはため息をついた。
『だいぶ荒れてるねえ、我らがプリンセスは…。無理もないぜ、彼女がやらなきゃ俺がやるところだ』
「グレート…!」
『分かってる。めったな真似はしないさ。ジェットの意思を確かめるまでは、勝手に手出しするわけにはいかない』
「ジェットの意識は、まだ戻らないのか?」
『さっき一度目を覚ましたんだが…話ができる状態ではなかった』
「そうか…」

しばらく互いに沈黙した後、ジェロニモは思い切って尋ねてみた。
「グレート…我々は、どうするべきだと思う?」
長い沈黙があった。

『…現実的に考えるなら、ジェットの意識が戻った時点で、〈よう兄弟、元気でな〉と言っておさらばする。それが一番だ。もっとも、フランソワーズはあいつを連れて帰ると言い出しかねないがな』
「…ではグレート、きみの本心は?」
『今すぐこいつをこんな場所からさらっちまいたいよ。だがな、それは無理な話だ』

沈んだ雰囲気を吹き飛ばすように、グレートは言った。
『ともかく、あいつの目が覚めたら一発ガツンと叱ってやろうぜ。意地っ張りの坊やを謝らせてやるんだ』
「…そうだな」
ジェロニモは表情を緩めた。

作品名:Solid Air(後編) 作家名:桑野みどり