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【カイハク】ファム・ファタール

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ハクは、頭の中でライの話を必死に整理する。カイトとライとクラーラ、三人の関係は分かったけれど、何故自分が襲われたのか・・・・・・。

「どうした?」

突然棒立ちになったハクに、ライが訝しげに声を掛けた。だが、ハクは目を見開いて、ライの顔を凝視するだけ。
ハクの脳裏に蘇った記憶、月明かりの中で繰り広げられた乱闘。背の低い方が、高い方にナイフを振り上げていた。
あれは、ライとクラーラではなかったのか。
そして、その場にいた、オートマタは。

「ハク?」

ハクの見開いた目から、大粒の涙がこぼれ落ちる。ライが作り上げたオートマタ、彼の欲しがった「家族」が、自分だと気づいたから。

「・・・・・・ライ・・・・・・私・・・・・・わた、し・・・・・・」

ハクの言わんとしていることに気づいたのか、ライは手を伸ばして、ハクの頭を抱き寄せた。

「また会えて嬉しかった。でも、どうしたらいいのか、分からなくて。ハクが、どうしたいか分からなくて。俺は、カイトの側にいると約束したから。二人とも、同じくらい大切なんだ」

ハクは子供のようにしゃくりあげながら、自分も二人の側にいたいのだと伝える。ライは頷き、ハクの髪を撫でた。

「今度こそ、家族になろう」

ハクは泣きながら頷き、ライの肩に顔を押しつけた。