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【カイハク】ファム・ファタール

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数日後、クラーラからカイトの元へ一通の書状が届く。それは、カイトとその友人を、一度お茶に招待したいという内容だった。

「だそうだ」

カイトが書状の内容を告げると、針金で錠前をいじっていたライは、不機嫌そうに顔を上げる。

「誰が友人だ」
「外れそうか?」
「触るな」

ライが背中に錠前を隠したので、カイトはくすくす笑いながら、「返事をしないとな」と言った。

「ああ?」
「いきなり押し掛ける訳にもいかないだろう」
「一人くらい、どうにでもなるだろ」

ライの言葉に、カイトは軽く首を傾げて、

「二人だ」
「ああ!?」
「お前も招待されている」
「誰が友人だ!」

カイトが黙ってライを見つめると、相手は苛々と首を振る。

「俺は、日に当たると灰になるんだ」
「初耳だな」
「お前だけ行け」

ライの投げやりな言葉に、カイトは悪戯っぽく目を細め、

「承知した」

その視線を受け止めて、にやりと笑った。