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白井雪姫先輩の比重を増やしてみた、パジャマな彼女・パラレル

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でも、一昨日のその……計佑くんのあれこれからのストレスがたまってて、どうしてもこっちからは謝れなくって」
「そうですよ! 一昨日の夜もひどかった! あんな事があったら、それは仕方ないですよ」

「……うん。でも、昼間の様子からすると、私が激怒したままって思って、怖がって連絡くれないのかと思って。
ちょっとだけ拗ねたメール送ったのね。そしたら返事が来たんだけど、
それに「おまえなんかきらいだ」って書いてあって」
「えっ!? うっうそ! 計佑がそんなこと──」

「うん。あとで、それは子供のイタズラってわかったんだけど──
まくらちゃんも計佑くんの家にいるんならその……一応しってるんだよね?」
「えっ、あっ、ええとまあ一応……」

「私は詳しくは聞いてないけど……なんかちょっと大変な事情があるんでしょ?
それでとっさに私に隠そうと思って「冗談です」って言い訳してきたみたいなのね」
「あちゃー……」

「それで私、もうその時はわけがわかんなくなって。
だって、キライなんて言われてすっごいショックで、そしたら冗談なんていって笑うんだよ?
そうなるのは仕方ないよね?」
「まあそうですよね……それは当然ですよ!! (ホタルちゃん……!! なんてことを……!!)」

「でもね、それで私が泣き出しちゃったら……計佑くんがすぐにかけつけてきてくれてね。
……それは、すごく嬉しかったんだけど、
でもその時点では、まだコドモのイタズラなんて私は知らなかったから、やっぱりまだちょっと怒ってて。
でまあその、ちょっと私が泣……拗ねた振りをしてたら、
……そしたら計佑くん、すっごく優しくて!!
すごく、すっごく!! うれしくなるようなこと言ってくれて!!」

「……は、はあ……」

「あのね、あのね!!  私のこと、『好きにきまってるでしょう!!』なんて怒鳴ってくれて!!
もちろん、そういう意味じゃないことはわかってるんだけど!!
でもでも、あの計佑くんが、そんなセリフを、私の手を握りながら言ってくれたんだよ!?
これってすごいことだよね!!」

「……ま、まあそうですね……」

「それでねそれでねっ、私が嬉しくて嬉しくて、
つい身体が震えちゃったら、まだ傷ついてるとでも思ったのか、
ぎゅうう……! って! 私の手を握りしめてくれてね!! もうもう!!
抱きついちゃいたい気持ちになっちゃったんだけど!!」

「……そ、そうですか……」

「でもでもっ、もっともっとそういう言葉、聞きたくなっちゃうじゃないっ?
だからまだガマンして、泣いてるフリ続けたんだけど!!
そしたらねっ、私のことを「特別な人」「そんな人は先輩だけだから」とかね!!
も〜〜〜!  もうね!!
『一昨日のことなんて、アリスなんてただのおまけだから」とか、
「コドモと、先輩は全然違う」とか、
「特別に意識してる女のコは先輩だけなんだから、普通になんて出来るわけありません」
とかも〜〜〜〜!!!」

(……電話なんてするんじゃなかった……)

〜〜色々続いて〜〜

『──あとねあとね!
もし私に仲のいい男の子がいたりしたら、計佑くんもすっごくヤキモチやいてくれるって!──」

〜〜〜まだ続いて〜〜〜

「──それからねっ、私のためならアリスと距離とっていいよなんて言ってくれて!
本当に私のこと、一番に想ってくれてるんだなあって──」

(も、もう電話きっていいですか……)

──そうして、まくらがついに耐え切れなくなって。
とにかく話を変えようと、自分が知らない出来事──雪姫が計佑に告白した時の事でも聞き出そうとするも、
やっぱり、

「計佑くんが、私のこと、見とれるくらい綺麗なんて言ってくれたの!!」
「私が不安がったら、急にスイッチ切り替わったみたいに、
すごく優しい顔して私の手をにぎってくれてねっ、それも一晩中!!」

などと、結局、惚気続けられる羽目になり……
結果、まくらは随分とげっそりした状態で、計佑の部屋を訪れる事になったのだった──

─────────────────────────────────
<おまけのあとがき>

一応、こちらの会話劇をみて頂ければ、
本編中にまくらが「ツボは押さえてんのね〜」みたいなコトを言ってた理由も、
納得しやすくはなってるとは思うんですけど……どうでしょうか?
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第23話-1 『合宿初日・ソフトボール観戦「……目覚くんは、絶対後悔するから……!」』


「計佑が試合観に来てくれるのって、ホント何年ぶりかなあっ!」

 目覚家の食卓で朝食をがっついていたまくらが、はしゃいだ声をあげた。

「まー、随分久しぶりではあるけどさ……別に、合宿行事の一部として行くだけだぞ」
「名目なんてなんだっていーよ!! おばちゃん、おかわりっ!!」
 
 計佑の冷めたツッコミをまるで気にする事なく、由希子に茶碗を突き出すまくら。
そのハイテンションぶりに「ハイハイ」と苦笑しながらも由希子がご飯をよそう。

──まさか、あんだけヘソ曲げてたのに、コロリと機嫌が治るほど喜ぶとはなぁ……

 まくらのはしゃぎようをぼんやりと見つめながら、計佑が先日の事を思い返す。

『私のコトをほったらかすようになったクセに!』
 そうまくらが叫んで、キレてしまった一件。
次の日になっても、まだまくらの機嫌は治っていなかった。
 余所余所しいまま、その日の部活の時間を迎えて。
どうしたものかと頭を悩ませていたのだが……その時に『合宿をしよう』という話が出て。
その際に、『合宿行程の中に、まくらの試合の応援を入れないか』と計佑が提案すると、
それからまくらの機嫌はコロっと治ったのだった。

 まあ蓋を開けてみると、アリスは登校日、茂武市も直前になって急用が入ってしまい、
その二人の合宿参加は初日の夕方からという事になって。
 結局今日のまくらの応援に行けるのは、
計佑、雪姫、硝子の三人になってしまったのだけれど、幸い、まくらの機嫌にはまるで影響がなかった。

「ごちそうさまでした!! それじゃあ行ってきまーす!!!!」

 食べ終わるや否や、まくらがキッチンを飛び出していく。

「おいまくらっ、ちっとは落ち着いて行け!! 試合前に事故ったりとかしたらどーすんだっ!!」

 あまりの落ち着きのなさに、流石に心配になった計佑が怒鳴ったが、

「はいはーい」

 まくらは軽い返事を返しただけで、あっという間に家も飛び出して行った。

「あらあら……アンタが試合観に来てくれるのが、よっぽど嬉しいんだねぇ、くーちゃん」
「……ったく、家族が見に来るから大はしゃぎって。……やっぱりアイツ、基本お子様だよなぁ」

 笑う由希子の言葉に、呆れながら答えた。

──けど、あんなお子様のクセに、いっちょ前に恋愛感情に関しちゃあオレより先にいってんだもんなぁ……
  女のが成熟早いとは言うけど、ホントわかんないもんだ……

 先日知った衝撃の事実を思い返しながら立ち上がる。

「ねえ計佑、合宿は明後日の朝までって話だったけど、その間全然帰ってくるつもりはないのかい?」