二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

白井雪姫先輩の比重を増やしてみた、パジャマな彼女・パラレル

INDEX|153ページ/169ページ|

次のページ前のページ
 

 そしてそんな言葉と共に、バンバンとこちらの肩を叩いてくる。

……正直、結構痛かったのだけれど、
カリナなりの照れ隠しやこちらへの慰めでやってくれている事だと思えば、
面映くはあっても止めようとは思えなかった。

「しっかし、あのボウヤに他に好きなコが、ねえ……?」

 やがて落ち着いたカリナが、首を傾げながらそんな事を呟いてきた。それに、雪姫はまた俯いてしまう。

「ねえ、それホントに間違いないの? なんかの聞き間違いとか、勘違いとかさあ」

 そんな風に尋ねられたが、首を左右に振る事しか出来なかった。

──これまでに何度か、アクシデントや勘違いで振られると思った事はあった。
──けれど、今回のは。もうどこにも、誤解の余地なんて見当たらなくて。

 改めてそう考えて、また涙が零れそうになったところで、

「でもさあ? あのボウヤ、間違いなく雪姫にも惚れてたと思うんだけど。
雪姫のコト、めちゃめちゃ意識してたじゃないの」

 未だ納得がいかない様子のカリナが、そんな事を言ってきた。

「雪姫のコト、命がけで守ってみせたりしてさあ。
そりゃあ人の良さそうなボウヤだったけど、
大して思ってもない相手の為に、いくらなんでもそこまでするもんかねぇ?」
「……それは……」

──自分だって思わなかった訳じゃあないけれど。確かに、意識はしていてくれたのだろうけれど。
──でも、今となっては……

 そんな風に沈んでいく雪姫を他所に、カリナは

「ホントなら、雪姫のコト泣かせるなんて、今すぐぶっトばしにいくトコだよ?
でもあのボウヤにはそういう立派な功績とかもあったし、とりあえずは我慢してるんだけど……」

 ぶつぶつとそんなセリフを呟いていたけれど、やがて表情を改めると、

「ところでさ。ボウヤがそのまくらってコが好きだったからって、どうだっていうの?」

──予想外の質問に、一瞬思考が真っ白になった。

「……え? え、いやだって……?」

──計佑には他に好きな人がいる。
──つまり私の失恋は決定じゃないか。
──これで何が『どうだっていうの』なのか……?

 突飛なカリナの言動に振り回されるのは珍しくない事だったけれど、
今回のはいくらなんでも意味不明すぎた。ポカンとしていたら、

「だってそのコ、引っ越しちゃったんでしょ。
遠距離恋愛なんて普通ムリだって聞くし、結局雪姫の勝ちってコトになるんじゃないの?」

 カリナらしい、あまりにも大雑把な答え。

……けれど、そんな雑な答えには、まるで納得など出来なかった。
だって、あの誠実な少年だったら。
『距離の長短』なんて打算的な理由で相手を選ぶなんて、到底思えない。
一度相手を決めたなら、きっと真摯にその人の事だけを思い続ける筈で──

「つーかさ。そもそも、そのまくらってコはボウヤのコト何とも思ってないワケでしょ?
てコトは、ボウヤはそのコにフラれて、あとはもう雪姫と付き合うしか残ってないんじゃん」
「……なっ……!!」

──この少女は、一体どこまでがさつなのだろうか。
全くの的外れとまでは言わないが、あまりにも乱暴な意見に空いた口がふさがらなかった。
 やはり、カリナに恋愛相談をしてこなかったのは正解だったと、ついそんな風に思って──
恐らく、呆れた顔を見せてしまっていたのだろう、カリナがむっとした顔になった。

「……なんだよぉ、その顔はぁ……だって雪姫が言ったんじゃない、
まくらちゃんってのは自分たちをずっと応援してくれて、色々手を尽くしてくれてたんだって!!
そんなの、ボウヤには全然気がないってコトじゃないか!!」
「そ、それは確かにそうかもしれないけど……」

 ムキー!! と詰め寄られて、弱々少女はあっさりと怯んでしまう。けれど、それでもまだ、

──……でも……まくらちゃんも計佑くんと同じで、自分の気持ちを自覚してなかっただけ、とか……

 そんな風に、心の中だけで反論した。

 カリナと違って繊細ではあったが、結局は素直すぎる性格の少女。
 まくらが「計佑に気持ちはない」と明言した以上、
「身を引いて、恋敵を応援する」という概念を理解するには至らないのがこの少女だった。

 それでも流石に『まくらも計佑同様だったのでは』という程度には想像が及んだのだけれど──

「それとも何!? もし二人が両思いだったとしたら、雪姫はさっさと諦められるってーの!?」
「──!? やっ、やだ!! そんなの、無理……っ!!」

 がさつながらも──いや、粗野だからこそのパワフルさで。
雪姫を煽ったカリナが、雪姫からまくらの気持ちへの不安を吹き飛ばしていた。

「じゃー、やるコトは1つっしょ。ボーヤの目がどこに向いてようと、こっちに振り向かせるだけの話じゃないの」
「……えっ……で、でも。……そんな自信、ないよ……」

……とりあえずはまくらへの不安を忘れられた少女だったが、結局はまた弱気の虫が顔を出して。
 その様に、短気な少女が額に青筋をビキッとたてると、さらには体ごと立ち上がった。

「自信のあるなしじゃねーよ!!
欲しいかどうか、やるかやらないかの話でしょーがっ!!
いつまで女々しいコト言ってんだよォ!!!」
「ひっ……! ど、怒鳴らないでぇ……怖いよ、カリナぁ……」

 仁王立ちで見下ろしてくるカリナに、ぬいぐるみを抱きしめてプルプルと震える脆弱少女。
 そうしてしばらくの間、チワワ少女を睨み下ろしていたトラ少女だったが、やがて大きく溜息をつくと。
またドカっと腰を下ろしてきて、ガリガリと頭をかいた。

「……やれやれ。まさか雪姫が、こんなにメンドい女だったとはねぇ……こういうのも猫かぶりって言うんだっけ?」
「……っ……わ、わたしのこと、キライになった……?」

 不安に駆られた少女が、潤む瞳で上目遣い。
それをしばらくの間、しかめっ面で見つめていたカリナだったが、

「う〜〜〜ん……………………いやっ、これはこれでアリ!!」

 叫ぶやいなや、雪姫を押し倒した。

「ふぇえ!? ちょ、ちょっとカリナぁ!? な、何して……!!」
「うむっ、貼り付けたみたいにいつも笑顔だった雪姫もいいけど、
今みたいにベソかいてんのも、これはこれで良し!!
てゆーか、本来のアタシの好みからしたらこっちのがむしろ良しッッ!!!」

 さらりと、雪姫の本質を見抜いていたかのような発言をしながらも、

『でもそんなんどーでもいいんだよォ!!』とばかりに、雪姫の胸へとグリグリ顔を埋めようとする野生少女。

「や、やめてよぉ!? ちょっ、やだっ、やだぁ……!!」
「よいではないか、よいではないか!! 別に減るもんでもないんだからのぉ」

 全力で抵抗する少女と、五割の力でじゃれついてるだけの少女。
……元々の身体能力に倍ほどの差があるせいで、完全に均衡状態が出来てしまっていた。

──そんな調子で、しばらくの間、柔らかい雪姫の身体を堪能して満足したカリナが、
ゴロリと雪姫の横へと身体を投げ出して。
 漸く開放された雪姫が、荒くなった息を落ち着けていると、