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白井雪姫先輩の比重を増やしてみた、パジャマな彼女・パラレル

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「おおー……マ、マジでけー……」
茂武市はポカンと、硝子が『ほわー』と感激顔を晒している。
ヒャッホーと駆けていくカリナに、
雪姫は「荷物は奥の座敷にねー!」と声をかけたが、多分また聞いていないだろう。

「代々医者の家系らしーぞ、白井先輩」
茂武市が、同じくポカンとしてた計佑に話しかけた。
「本人はTVCMに出ていて、女優へのウワサもある……」
「……住む世界が違うってやつだな」
答える計佑の声はちょっと沈んでいるのだが、本人にはその自覚はなかった。
「いやしかしな計佑……」
意味深に言葉を区切って、茂武市が計佑に耳打ちするように続けた。
「白井先輩ってもしかしてお前のこと好きなんじゃね?」
<B>「はぁっ!?」</B>
思ってもみない内容に思わず大声を出してしまう。
「さっき電車の中で思ってたけどさ……なんか態度がオレの時とは全然違うだろ?
そもそもオマエの事は先輩自身が旅行に誘ったくらいだし。これはもうそうとしか思えなくなってきたんだが……」
「バッ……バカ言え!! んなことあるワケねーよ!!」
一瞬落ち込んだ気持ちは吹き飛び、なんだか気分が高揚するのを感じるが、それでも否定はしてしまう。
「そうかなぁ……うーん」
頭を捻る茂武市をよそに、

──たしかに茂武市よりは距離感近い気はするけど……そんなの、
オレのほうが先に先輩と知り合ってるからってだけの話だろう。
なんか親しげにしてくれるのだって、大抵はからかってくるコトばっかりだし……

計佑にしてみれば、あれだけキレイな人が自分になんて……という思いがあるし、
やたらとからかうような態度ばかりとられる事もあって、とても茂武市が言うようには思えなかった。
……なんとも思ってない相手を、からかう為だけにあんなに近づいてくる訳はないのだが
鈍い少年には、それはちょっと気付けない事だった。
──まあ、そんな女心の機微がわかるほど『慣れた』男だったら
雪姫が好感を覚えるようなことはなかった訳で、これはもう良し悪しというしかないのかもしれない。

─────────────────────────────────

「泳ぐぞ〜〜〜ッ!!!」
カリナが硝子をひきずるように海へと走っていく。
茂武市も一緒で、三人とも水着姿だった。

それを尻目に、計佑は未だ着替えずにキョロキョロしていた。
「どこいったんだまくらは……」
屋敷に着いてからまくらを見かけなかった。
そして今ようやく、ぽつんと大木のそばに座り込んでいるまくらを見つけて、
「あ! いたいた。おー──」
「あら? 着替えないの?」
まくらに呼びかけようとしたのを遮ったのは、水着姿の雪姫だった。
「みんな、もう行ってるよ?」

──う……うお……!!

雪姫の水着姿に思わず見惚れてしまう。
二度ほど触れてしまったせいでよくわかっていた事だが……
……やっぱり雪姫の胸はすごいボリュームだった。目線は特にそこへといってしまう。
ふと、茂武市の言葉が思い出される。

──『先輩ってもしかしてお前のこと好きなんじゃね?』

「いやっ、おっ俺は遊ばなくてもいいかな……って。
それよりも、この前の写真の事とか詳しく聞きたいんですけど……」

──なに意識してんだよ俺……
こんな先輩が、俺のコトなんて好きなわけないじゃんっ……!!

熱い顔で、必死に今浮かんだ考えを否定する。
「えー? そういう話は夜でもできるでしょ? 今はとりあえず遊ぼうよ」
雪姫がにこりと笑うと、前かがみになって下から計佑を見上げてきた。
すごい谷間に思わず目が引きつけられる。
「ねっ行こ?」
思わず頷きそうになったが、
<b>「何見とれてんだよいやらしいっ!!」</b>
いつの間にかまくらがそばに来ていた。

──うおおお!! いつの間にっ、てか、なんだよいきなり!?

人がいる所でまくらと会話をする訳にはいかない。
とりあえず一人になるためにも、雪姫へと返事をする。
「わっわかりました、俺も着替えてすぐに行きますから。先に行ってください」
「ん、わかった。待ってるからねー!」
手を大きく振ってから、駆けていく雪姫。
計佑も手を振り返したが、まくらからのプレッシャーになんだか冷や汗が流れていた──

─────────────────────────────────

──ふしぎ。他の男の人に見られる時には、すごくイヤだったのに……

雪姫はご機嫌だった。今のやり取りの中での、計佑の視線が気持ちよかった。
少年が自分(の身体の特に一部だけど)に夢中になってくれるのが恥ずかしくも嬉しくて、
調子に乗って見せつけるようにすら振る舞ってしまった。
ぶくぶくと膨れ上がってしまった胸。
重いし、男の視線は集めるしで嫌悪感ばかりが募ってたそれが、今日初めて少し好きになれた。

─────────────────────────────────

計佑はまくらを連れ立って、屋敷のほうへ向かっていた。
──なんだかいたたまれなくて、黙り込んだまま。
「……さっきどこ見てたの計佑。
計佑とは随分一緒にいたけど、あんな情けない顔初めて見たよ……なんか気持ち悪い」
カチンときた。
……図星だろうだけに、尚更だった。
<b>「悪かったな、気持ち悪くてっ!! どーせ元からそーゆー顔なんだろーよ!!」</b>
もう逆切れしてみせるしかなかった。
「何だよいきなりつっかかって来て……オマエには関係ないだろっ!!」
<b>「かっ……」</b>
一瞬まくらが大きな声で反論してきそうになったが、
「……そうだね関係ないかも。計佑と先輩の話なんだから、私がどうこう言うコトじゃないよね……」
「……あ、いやその……」
急に萎れてしまうまくらに、逆切れしてみせた計佑も申し訳なくなった。
「……多分、せっかく海に遊びに来たのに水着も着れないのが面白くなかったんだと思う。
……八つ当たりしちゃってごめん」
今のまくらが水着に着替えてしまうと、計佑以外には水着だけが宙を動きまわってる様に見えてしまう。
だから確かにまくらを着替えさせる訳にはいかないのだが──
沈むまくらを見ていられなくて、あまり考えずにとりあえず口を開こうとして、
──パッ──
突然、まくらが水着姿になった。

──へ……?いきなり……何……?

しばし呆然として二人だったが、やがて感極まったらしいまくらが飛びはねた。
「やった〜〜〜っっ!!! 何だかわかんないけどやったーーーっ!!」
まだ呆然としたままだった計佑に、女中さんらしき女性が声をかけてきた。
「どうされました? 皆さんもう海に行かれたと思いますが……」

──ヤバイ!! 前みたいに服だけが浮いて見えるんじゃ……!?

咄嗟に立ち位置を変えてまくらと女性の間に割り入るが、
慌てて一歩だけ動いた計佑を、女性は不思議そうに見つめてくるだけだ。

──アレ……? 見えてない……のか?

今度はそっと身体をずらしてみるが、やはり特に女性からのリアクションはない。

「あっ、すいません何でもないんです。忘れ物とったら、またすぐに俺も行きますので……」
「さようでございますか。……それでは失礼致します」