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白井雪姫先輩の比重を増やしてみた、パジャマな彼女・パラレル

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まくらは自転車置き場で待ってて、軒先からは見えなかった……って感じかなぁ。

雪姫が素直になろうとするのに理由を一つ盛れましたかね?
自分が意地張ったせいで、今回の事件になったから──みたいな。

初めての出会いについて語り合う場面にも盛ってみました。
ここの小説第1話では、裏門で初めて顔を見合わせたシーンでお互いにしばらく見とれますが、
6話のポニー先輩の見覚えと合わせて、一応伏線(ていうのかな? こういうの)
として繋げられた形になったかなぁ……と。
んでもって、この流れでの計佑ポロリ本音が、雪姫の中で最後のひと押しになる──って感じにしてみました。

雪姫の言う『本当の優しさ』っていうのは、
僕の話の中では7話での「他人のためなら自分の事なんて」って感じので考えました。
雪姫は自衛手段の一つとして人に優しくしてる部分があるようなので、じゃあ対比としてならその形かなあ、と。

なんか原作計佑のカッコよさを、今回削いでしまった気がしてたりします。
計佑の心の声を色々書いてたら、
どーも暴漢に立ち向かったシーンが、ただカッとなった結果なだけ、みたいな……?
いやカッとなったのは先輩が大事だからこそで、計佑×雪姫としてはそれでいいんだけど、
計佑もすごい人間として書きたい身としては、うーん……?
なんか上手いこと思いついたら修正するかもです。
(26話書き上げてみてからの追加コメント・思いつきませんでした! だからそのままです……)

これまでもそれなりに改変とか盛ったりしてましたけど、
今回くらいから、そういうのがどんどん多くなっていくかと思います。
なので、新鮮な気持ちで読める箇所も増えていくんじゃないかな……?
とは思いますので、この先も読んでみてもらえると嬉しいです。
─────────────────────────────────

第11話『雪姫の添い寝と次の朝、一方硝子は……「まくらには内緒にしておくから」』

11話


綺麗だと言ってくれた。
命がけで助けてもくれた。
望みはあるのかもしれない。

──ううん、そんなの関係ない。

あふれそうなこの気持ちを、もう抑え切れないから。だから、ただ一言だけでもいいから、伝えたい──



「好き」




─────────────────────────────────

──……え……?

最初に計佑が抱いた感想は、ただの疑問だった。
雪姫が何やら独り言のような感じで話し始めたと思ったら、決意表明のような事を言い出して。
その後、何を言うのかと思ったら、二文字の言葉が雪姫の唇から飛び出して。
その言葉自体はもちろん慣れ親しんだ日本語で、意味なんて簡単で、むしろ簡単すぎるものだったけれど。
それでも今、唐突すぎて全くの予想外で、理解がまるで追いつかなかった。
薄暗い部屋でもわかるくらい、真っ赤な顔の少女。
未だ見慣れない、類まれな美貌の先輩が、そんな赤い顔でじっとこちらの目を上目遣いで見つめてきている。
それでも尚、ぼーっと雪姫を見つめ返している内に、

「……好き」

もう一度言われた。
……そして、ようやく理解が追いついた。

──……好き……て……え!? ええええ!!? おっ……俺の事!!?
白井先輩が──俺なんかのことを……!!??

慌てて、雪姫の反対側を振り向いたりしてしまう。
勿論、誰もいなかった。
相手を間違っている……訳でもないらしい。雪姫のほうに顔を戻す。

ドックン、ドックン──!!

鼓動が一気に高まっていた。
雪姫は変わらず赤い顔をしていたが、
計佑の長い沈黙に耐えられなくなったのか、ギュっと瞼を閉じて唇をかみしめている。
相手が合っているのなら、或いは何か聞き間違えたのでは……?
と一瞬考えたが、二度も聞いたし、こんなに雪姫が恥ずかしがっているしで。
……いよいよ間違いなさそうだとわかったら、鼓動が更に激しくなった。

「けっ……計佑くん……今の……」

瞼をギュッと閉じたまま、雪姫が言葉を絞り出してくる。

「聞こえ……たよね……?」

そろ……っと、雪姫がまた瞼を開いて、計佑を見つめてきた。

「……っぁ……きっ……聞こえました……」

──けどっ……何を言ったらいいかさっぱりわかんないんですっ!!

その時、急に雪姫の感じが変わった気がした。

<b>──かっ……かわいい……!!</b>

きゅうっと身体を縮めて、真っ赤な顔でじっと自分を上目遣いで見つめてくる少女が、
綺麗というより可愛く見え始めた。動悸がもう限界を超えそうだった。

──スッゲーかわいい!! 先輩かわいいよ……!!!
……なんだよこれっ、先輩どーしちゃったんだよ……!!?

それは雪姫の問題ではなく、むしろ計佑の側の問題なのだが、そんなことを理解できる少年ではなかった。
計佑が困惑し続けている間も、雪姫はじっと計佑の言葉を待ち続けている。

──何か言わなきゃ……!! だけど何て……!?
『先輩ってすごい美人だと思ってたんですけど、実はめちゃめちゃカワイイですね』
……違う違うっ!! そんな感想は求められてないっ!!

……それはそれで雪姫は喜んでいただろうから、
突然の告白を受け止め切れない少年としては、意外と正解だったのかもしれない。
しかしこの少年に、そんなセリフを意図して口にできる筈もなく、ただ口をあうあうとするばかり。
そのうち、計佑は口どころか顔全体が強ばってくるのも自覚したが、やはりこの迷路の出口は見つかりそうにない。

──……誰か助けてくれーーーっっ!!!!

……そんな情けない少年の悲鳴に、救世主が現れた。
トントン、と軽くふすまが叩かれた後、すぐにふすまが開いて──

「白井先輩? 目覚くんの様──」
「……須々野さんっ……!!」

固まっていた空気が、とりあえずこれで解された。
そう思い、計佑は安堵して。
身体を起こして、改めて硝子を見たが──

「……須々野さん?」

なんだか様子がおかしい。起き上がった自分じゃなく、雪姫の方に視線が釘付けのような──

<b>「そっ──添い寝!? 」</b>

そして、目を見開いていた硝子が、大声で指摘してきた。

「──えっ!?」

そばに寝そべっている雪姫を見下ろす。雪姫は顔を手で覆ってしまっていた。
けれど、覗いている耳は真っ赤で、そして体は更に縮こまっている。
……そんな状態で、でも、その位置は計佑の本当にすぐ傍で。

「……ちっ違──!? 」

痛む体をおして、慌てて立ち上がろうとしたのだが

「ごめんなさいっ!!」

硝子はピシャッとふすまを閉めて、去ってしまった。

──だから違うのにっ……!!

行き場のない、伸ばした手を震わせる計佑に、

「びっ……びっくりしたね……」

雪姫が、そろりと話しかけてくる。

──いやびっくりっていうかっ……なんかヘンな誤解がですねっ!?

雪姫からしたら、好きな人の看病のためにこうしている訳で、だから雪姫としては誤解でも何でもないのだけれど。
未だによく分かっておらず、そんな風に考えてしまう少年。