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白井雪姫先輩の比重を増やしてみた、パジャマな彼女・パラレル

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その言葉にウソはなさそうだけれど、しかしそれはそれで──

「……先輩って、結構いじめっコですよね……」
「……そうなんだよね……計佑くんと知り合うまでは、私もこんな自分がいるなんて知らなかったんだけど……」

 言いながら、雪姫が俯いた。そしてそろ……っと計佑の目を見上げてくる。

「……つまり、『計佑くん専用』の私なんだけど……計佑くんはこんな私はキライかなぁ……?」

──反則だっ……!!  なんでそんな仕草で、そんなセリフをっ……!!

 美しくて可憐な少女の、不安そうな上目遣い。
そしてその口から出てきた言葉は、なんだか特別な響きを感じさせて。
 小悪魔な一面と、健気な一面が目まぐるしく入れ替わる少女に、計佑はまたタジタジになる。
 それでも不安そうな雪姫を前に黙っていられず、とにかく少年は口を開いてみる。

「いえっ……そんなコトないです。
……先輩になら、弄られるのも意外とキライじゃないし……
それにそういう時の先輩って、なんかスゴク可愛らしかったりもするんですよね」

 結局、本音を晒すしかなかった。
 そして、少年が本音を漏らす流れは大抵──

「そっ……そうなんだ……///」

──雪姫が照れる羽目になるのだった。

「……計佑くんは、天然で私をいぢめてくるんだからおあいこだと思うんだよね……」

 計佑に聞こえないほど小さい声で、呟く雪姫だった。

─────────────────────────────────

「また、手を握っていてくれる?」
「え゛」

 そろそろ休もうかという話になった時、雪姫がそんな事を頼んできた。
 思わず、変な声が出てしまう計佑。

「むっ……なによー。昨日は一晩中握っていてくれたじゃない……」

 雪姫が唇を尖らせるが、今日の計佑としては、2つの理由でちょっと首を縦に振れなかった。

「あー……えっとですね……」

 理由の1つはかなり恥ずかしかったが、
もう1つの理由は雪姫には明かせないので、こちらを話すしかない。

「オレ……先輩の手を握ったままだと、ドキドキして寝付けそうにないんです」

 昨夜はそれで、なかなか寝付けなかった。……自分なら、きっと今日も同じことになる。

「あ……そうなんだ……ふふっ」

 拗ねた顔を見せていた雪姫だったが、その理由を聞くとくすぐったそうに笑った。

「……そういえば、私も。
……初めて計佑くんに手を握られた時は、すごくドキドキしたんだよ?
なんだか口もきけなくなるくらい、ね」
「え……」

 思い出す。確か、病院から逃げだした時だ。
そういえば、走っている間もその後も、しばらく雪姫は殆ど口を開かなかった。
てっきり、怒っているからだろうとばかり思っていたのだけど。

「そ……そうだったんですか……」

 以前から計佑のことが好きだった──今さら疑いはしないけれど、それを裏付けるような話を聞かされて、また顔が熱くなってしまう。
 そっと、計佑の手の甲に雪姫の手が重ねられた。更に頭に血が上る。

「私……計佑くんの手、大好きだよ。ドキドキさせられるけど、すごく安心もさせてくれる手なの」
「オ、オレは……先輩の手にはドキドキばっかりで──」

 言いかけて。思い出した。昨夜、雪姫に対して抱いた、一つの願望──

「──いえ。先輩のこと、すごく守ってあげたくもなりました。昨夜先輩の手を握っていて……」

 手を裏返して、雪姫の手を握った。
 雪姫は驚いたように目を一瞬見開いて。けれどすぐに、幸せそうに目を細めた。

「……うん。よろしくね、私の王子さま……」


─────────────────────────────────

<14話のあとがき>

原作14話は、ある意味僕の中では最終回!! (ていうか雪姫派の人の大体はそう思いますよね……?)
なので、こちらでもここで終わっても、まあありかな? くらいのつもりで書いてみました。
お陰で、文量もかなり多くなりました。というか、3週分のボリュームがあった第一話より長いんでは……?

でもだって、原作では雪姫先輩のターンはここまでなんだもの……
まあ個人的にはヤキモチとかも最高だったんですけど……やはりこれ以降は、普通に考えたらですね(-_-;)

なんでまあ、オッケーこそしてないけど、もう完全にバカップルだろこれ!!
くらいのものを目指しました。……ええ、実現できてるかは別ですけどね……

……そしてこれ以降の話は、正直もう消化試合な気分が否定できない(-_-;)
濱田先生の教科書にラクガキって形でどうにか書けてる以上、
女神さまの出番が激減する今後は、もうスカスカな話しか書けない気がするのです。
ラスト2話だけは考えてあるんだけど、そこまでどう繋いでいったものか……?

(26話書き上げてみてからの追加コメント・意外となんとかなりました! というか、
文字数だけで言うならこの先どんどん長くなっていくんですよね……お陰で完結まで随分時間かかる羽目にもなったんですけど、
それでも結果的には嬉しい誤算でした)

パジャマのお着替えは、僕のこの話ん中では特にいらんかなーとも思ったんですけど……
あれは濱田先生の絵だからこそ意味のあるサービスですもんね……うーん。
でもせっかく7話で伏線(のつもりのモノ)も書いたんだし、入れとくかぁ……くらいな感じで。
 だったんですけど、意外と長く改変しちゃいましたね……
なんかそぐわないかなぁとも思ったけど、雪姫先輩のターンはこの話までだし。
盛れるだけ盛っとくかなぁと。
『覗いてくれるくらい私に関心あるんなら望みはあるかも』みたいなつもりで書きました。

原作では雪姫を勘違いさせてしまった「先輩の好意に……」のセリフのとこも、自分なりにこだわって改変してみたり。
計佑視点では "交友" でもおかしくない内容で、
かつ雪姫からしたら "交際" としか思えないようなセリフ回しにしようと、頑張ってみたつもりです。

雪姫からの三種の女の子の質問。
もう両想いじゃんってことにしたい仮最終回としては、こういう会話いるかなーと。
これで計佑がまだ無自覚な理由としては、

『こんなにキレイなヒトがそばにいたら。ドキドキするのなんて当たり前だよな』
『最近考えるっていうのも似たようなもんかなー。初めて告白なんかされたら、悩まないワケないよ』
『親しい異性は3人しかいなくて、まくらは家族で当たり前。須々野さんはまだそこまでは親しくないし。
んじゃ消去法で先輩じゃね?』

とか、そんな感じでどうでしょう……?
(26話書き上げてみてからの追加コメント・計佑がここまで鈍感になってしまった理由は、25話でも一応触れてみてたりします)

今回も、計佑の心情で雪姫の見え方が違うトコロを。
笑顔の度合いでいえば、告白OKされたと思い込んだ時のほうが
雪姫は満面の笑顔なハズですが、わかってない計佑はこの時戸惑うばかりで。
『"一応" 両想いみたいなものかな』とふわりと微笑んだ雪姫のほうが
計佑にはずっと魅力的に見えたってトコ。これは雪姫に本当に好かれてると理解した後だからって感じで。