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白井雪姫先輩の比重を増やしてみた、パジャマな彼女・パラレル

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第一話で計佑に叱られたまくらが植物園に行ったのも母親を偲んで、でしたよね?

茂武市の見せ場を、今回は入れたつもりです。
『……この程度ので?』と言われたら、まあ、その、うーん……なのですが、一応自分ではそのつもりでした。
パク……イメージは、コミック版かしましの明日太くんです。
という訳で、唐突な宣伝として、コミック版の「かしまし」をオススメします。
アニメ版は「あのね商法」でなんか悪いイメージもあったりするかもですけど……漫画版はすごくいいんですよ。
はずむくんもアニメほどふらふらしないし(^_^;)
何より、最終巻の明日太くんが素晴らしい……
そこまでは、ず〜〜〜……っと、アニメ版同様コメディキャラだったんですけど、
クライマックスでめちゃめちゃいい仕事するんですよね……
その時の表情と、彼の心中を思うと泣けてくるくらい。
というワケで、アニメ版しか知らないで
「ええー……」とか思っちゃう人には、是非ともコミック版を見てみて欲しいです。
……ブックオフとか行けば、底値で置いてあると思うので……

第一話で、
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多少目は慣れてきたが、やはり彼女の顔の細部はわからなかった。
「あの・・・なんか追われてるんですか?ヤバイんなら先生に連絡とか・・・」
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隠れてる雪姫に、こんな感じの言葉をかける計佑を書きましたが。
今回の茂武市の指摘は、一応この辺も意識してみたり。
いくら計佑がいいヤツっていっても、流石に見知らぬ人間のために死に物狂いになったりはしないワケで、
一話に比べたら、本当に雪姫の存在は計佑の中で大きくなったんだなぁ……とそんなことを考えました。

硝子が迎えに来ないのは……まあ、嫉妬の一環かな?
16話では、ついに硝子の黒い部分を、はっきり書いてしまいます。
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第16話 『温泉へ。まくらが語る呪いの真相。「目覚くんは無理だと思いますよ」』


<16話>


「「「『お化けぇ〜〜〜〜!!?』」」」

 計佑たちが島から戻った日のお昼。
計佑と雪姫の罰掃除も終わり、5人揃って昼食をとったところだった。
 そして食事が終わって一服といったところでカリナが始めた話に、皆のリアクションが揃った。
──約一名、極端に声の大きい少女もいたりしたけれど。

「そーなんだよー。アタシが仕入れてきた情報が確かならこりゃ出るね。ヤバイわー」

 カリナが指をたてて話してくるが、そこに割り込む笑い声があった。

「あははははは!! 森野先輩、何の話を始めるのかと思ったら……そういう話は夜に始めてくれないと、意味ないですよ?」

 硝子はそう言った後にも、未だにプククと笑いをこらえていたりした。
……『夜の怪談話なんて絶対イヤっ!?』といった感じの顔をしている、誰かとは対照的に。
 しかし計佑は、そんな二人の姿を気にも留めず、カリナの話にかなり関心を抱いていた。まくらを見やる。

──一昨日こちらに来たばかりのまくらの事じゃないハズだ……
  まくら以外にも、ホントにオバケなんているのならまくらと認識しあえたりするんじゃないのか!?

 その可能性に気づいた瞬間、計佑は身を乗り出していた。

「森野先輩っ!! その話もっと詳しく聞かせてくれませんか!?」
「けっ計佑くんっ!?」

 雪姫が焦った様子で呼びかけてきた。

──あ……しまった……

 怖がりの雪姫としては、こんな話を続けられたくはないのだろう。
その事に気づいた計佑だが、とはいえ無視もできない話で。
場所を変えてでも聞きだそうと考えたのだけれど、行動に起こすのがちょっと遅かった。

「おーっ、いい反応してくれるじゃないの坊や!! よーっし聞かせちゃろー!!」
「えー……怪談話は、夜にしましょうよー……」

 硝子がぐずってみせると、カリナは苦笑を浮かべた。

「まーまー。硝子ちゃんが期待するような怖い話とかじゃないんだよね。縁結びの神様とかそんな感じの話でさ」

 その言葉に、3人の少女がピクリとした。
 カリナ曰く、

──この近くにある寝宮温泉に、座敷童子みたいな"恋の神様"が出るらしい。その童子に会えたら、必ず恋を成就させてくれるという──

バンッ!!

「行こうッ!!!」

聞き終わるや否や、雪姫がテーブルを叩いて身を乗り出した。

「行くしかないですね」

硝子は一言行って、さっさと部屋を出ていった。
──多分、支度を始めにいったのだろう。

「……おー……なんか随分急に態度変わったねキミら……まあアタシもオバケ見れるもんなら見たいから、いいんだけどさ……」

 カリナが微妙な顔をして呟いた。
 雪姫もさっさと立ち上がって、いそいそと部屋を出ていく。
 計佑は慌ててそれを追いかけて、

「先輩先輩っ。ホントにいいんですか? オバケなんて──」
「オバケじゃなくて神様なのっ!!」

 クワっと雪姫がかみついてくる。
 思わずたじろぐ計佑だが、行ったら行ったで震えるばかりになりそうな雪姫が想像できるだけに、引くわけにはいかなかった。

「いや、確かにいい神様って話らしいですけど……それでもオバケの一種みたいな感じでしょう?
こういっちゃあ何ですけど、万一ホントに出たりしたら……先輩の場合どうなることかと……」
「…………」

 雪姫が俯いてしまった。

「あっいや!!  昼間だし!!  みんなで行くんだし、そんなに怯えるものでもないとは思うんですが!!」

 後で苦しむ雪姫を見たくはないが、
だからといって今凹んでしまう雪姫だって見たくない計佑は、あっさり前言を翻してしまう。

「……ふふっ……」

 けれど、顔を上げた雪姫は微笑を浮かべていた。

「……計佑くん。もう元気になったみたいだね」
「……え? あ……」

──そうだった。今日は、先輩には朝からずっと凹んだ姿しか見せていなかったっけ……

 罰掃除の間は顔を合わせることはなかったし、
皆が揃った昼食の間も、雪姫にはカリナが絡んでばかりいて、ろくに会話はしていなかった。

「……すいませんでした。なんか色々心配かけちゃって……」
「ううん、いいの。計佑くんが元気になってくれたならそれで……」

 嬉しそうに笑って、計佑の手をきゅっと握ってきた。
たちまち顔を赤くしていく計佑に、雪姫が言葉を継ぐ。

「心配てくれてありがとね。でもホントに大丈夫だと思うよ。
計佑くんの言うとおり、昼間で、みんなだっているんだから、ね?」

 そこまで言って、雪姫が笑顔をニマっとしたものに変えた。ポンっと計佑の肩を軽く叩いてくる。

「それにっ。私の王子さまが一緒なんだから、オバケからだって守ってくれるでしょう?」
「せ、先輩……王子さまってのは流石にやめてくださいよっ」

 いつも通りの雪姫のからかいに、いつも通りの照れる姿を晒す計佑だった。

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