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白井雪姫先輩の比重を増やしてみた、パジャマな彼女・パラレル

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「おっ、なんだよ随分遅かったじゃないか……?」
「あーうん……雪姫先輩を説得するのに結構時間かかっちゃってねー」

 テヘヘと笑ってみせるまくらだが、その言葉の意味するところは……

「えっ!? じゃあまさか、先輩入ってくれるのか?」
「うんっ!! まあ委員会とか忙しいからいつもいつもって訳にはいかないそうだけどね。
……まくらサマに感謝しろよ?」

 Vサインを突き出すまくらに、素直に感謝の気持ちが湧いた。

「でかしたっ!! アイスもう一個追加してやるよ!!」
 
 まくらの髪をワシャワシャかき混ぜてやる。

「こらっ!?  感謝してんなら、何でそれをやんのよ!!」

 慌ててまくらが逃げ出すが、計佑は一気にご機嫌になっていた。

──そっかー……先輩とも一緒に部活やれるのかー……!!

 ホワンとする計佑に、まくらがジト目になった。

「……天文部は、純粋に星のために作ったとかなんとか、さっき誰かさんが言ってたんだけど……
……今目の前にいる、鼻の下伸ばした誰かさんじゃなかったかなぁ……」
「おっオホン!!」
 
 慌てて表情を引き締めた。そして誤魔化すようにまくらに尋ねる。

「そっそういえばさあ!!  お前、先輩がヤキモチやいたとかなんとかいってたじゃん?
それってやっぱなんかの勘違いだったろ?」

 ついさっきの妄想での怒りの事などすっかり忘れて、そんなことをほざく少年。
……まあこれは、
『そもそもオレじゃ先輩につりあってないんだし、妬く必要とかなくね?
それに、いくらオレのコト好きって言っても、家族みたいなの相手に妬くほどだなんてないよなぁ……』
という、相変わらずの謙虚さもあっての事なのだが……

 しかしまくらは唖然とした顔になって。そして、大きくため息をついた。

「マジで……これは苦労しそう……」
「……はあ? 一体何に苦労するんだ?」

ガクリと項垂れるまくらに、計佑は首を傾げるのだった。


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<18話のあとがき>

17話のラストは暗かったかもですが、今回すぐにそれを払拭させました。

そして今回、ちょっと長くなってしまったので、アリス登場は次回にスライドさせて。

ところでこの話……なんかこう……ちょっとまくらのための物語になってきてるような(汗)
なんかまくらが大分健気になってきた……なりすぎのような……
こちらの世界でのまくらは、『恋人になれないのなら、妹として傍にいよう』
という想いの下に行動しようとしています。
僕が原作まくらでひっかかった点は、
計佑に対してどっちつかずのトコだったもんですから、
この話においては、立場をはっきりとさせてるつもりなのですが……
けれど、まくらに全力で応援させてしまうと、健気指数が高くなりすぎるような……うう〜ん……
このまま書いていくと、どんどん先輩が霞んでしまうんでは……それじゃ原作通りじゃないかと(T_T)

あ。ちなみに、17話のホタルの言葉で「お前たちの生い立ちが前の世界と違う」
というものがあったと思いますが、こちらの世界では原作以上に家族同然の育ち方をしてるということで。
原作じゃあ確か、どっちが兄か姉かわかんないって感じでしたけど、
こっちは明確に計佑が兄的に振舞ってきてます。ゲロの片付けしてやったりとかね(^_^;)

「白井先輩が、いくらなんでも、家族相手にまで妬くほどオレの事が好きだなんて」
直前の計佑の妄想に置き換えると、計佑も家族みたいな男に対して妬くワケで、
つまりは計佑の方も、雪姫に負けず劣らずもうベタぼれということですかね///
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第19話 『中等部からの新入部員。「いやっ!?こっ来ないで計佑くんっ!」』

<19話>


 張り紙を終えた茂武市が戻ってきたところで、雪姫も入部してくれる事を伝えると、案の定茂武市は大喜びした。
 しかしまくらが、

「茂武市くん……雪姫先輩が入ってくれた理由はわかってるよね?」

 と意味ありげに尋ねると、すぐに落ち着いて。

「ああ……それはよ〜くわかってるけどさ〜」

 二人がかりでニヨニヨと見つめられてしまって、計佑が顔を赤くしたり。
そんなやり取りがあったりしたが、部室の片付けを再開して。やがて片付けが一段落して、掃除も終わり──

「よーしッ!! 天文部始動だぁ〜〜!!」

 真っ先に、まくらが声を上げた。

「なんでお前が言うんだよっ」

 計佑がツッコミつつも、茂武市と3人でハイタッチを交わした。

「さて茂武市。望遠鏡とかどうする? やっぱり学校に持ってくるか」
「ん〜、まだいいんじゃね?  人数が増えて、ここにあるのだけじゃ足りなくなった時に考えようぜ」

 そんな相談を始めたところで、

『バーン!!』

 ドアが乱暴に開けられた。
 ビクリと振り返る3人に、現れた人物が怒鳴り込んだ。

「めっ、目覚計佑ってのはどいつだ〜〜っっ!!!」

……小学生くらいの女のコだった。
長い髪をツインテールにしていて、髪留めは可愛らしいウサギちゃんで。
 思わず、計佑が呟いてしまう。

「……え? なんで小学生がこんな所に……?」
 
 その女の子が、ビキっと額に青筋を立てた。

「バカっ計佑!! 制服見なよっ、中等部のコだよ……!!」

 まくらが慌ててフォローしたが、もう遅い。

「ええっ!? いやウソだろ!? 服は借りてるとかだろきっと……こんなちっこい中学生とかありえねーよ」

 それどころか、愚かな少年はさらに失言を重ねた。女のコの身体が、ブルブルと震えはじめる。

「ふふっ……なるほど……あんたが目覚計佑……」

 今の会話で、計佑が誰かわかったようだ。ギロリと計佑を睨みつけてくる。
……愛らしい顔立ちの子供なので、少しも怖くはなかったが。

「思った通り……やっぱりろくでもない男だったか……」

 少女が、ゆらりと部屋に踏み入ってきた。

「……一応、自己紹介はしておく。あたしは中等部二年、わた──黒井エリスだよ!!」

 腕組みをした小学生──もとい、中学生が名乗りをあげた。

「えっ!? マジで中学……それも二年!?」

 どこまでも失礼な少年は、どこまでも失言を重ねた。

「……っ……!!」

 エリスが一瞬飛びかかりそうな気配を見せたが、ぐっとこらえたようだった。

「……っ、ふっ、ふん!! やっぱりクズ男だったなっ目覚計佑!!  このオトナのれでぃーが小学生に──」
「「『プッ!!』」」

 "オトナのれでぃー" の部分に、3人とも吹き出してしまった。
慌ててまくらと茂武市は視線を逸らしたが、計佑だけは──

「おいちびっこ。漫才なら間に合ってるんだ。高校なんかに何の用なんだ? 早く小学校に帰れよ」

 しっしっと手を振ってみせた。
 3人ともに笑われてしまったエリスは、真っ赤な顔をして俯いてしまっていたのだが、
計佑のセリフに、ついには耳まで赤くなってしまった。
 まくらが慌てて、計佑に耳打ちする。

「ちょっちょっと計佑!! いくらなんでも言い過ぎ……」