白井雪姫先輩の比重を増やしてみた、パジャマな彼女・パラレル
「……いい加減にしてよ計佑〜……これ以上面倒な事態を作らないで〜……」
「……何の話だ?」
──頭を抱えるまくらの言葉の意味は、この少年には分かる筈もなかった。
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結局、計佑とまくらの二人でアリスを家まで送ることにして。
その道中に色々話して、アリスの誤解を解いていった。
そしてようやくしっかりと理解してくれたらしいアリスが、拍子抜けしたような声を出した。
「なんだ……お前たち二人とも、ホントにただの家族みたいなもんだったんだな……」
「最初にそう言ったろうに……ていうか、落ち着いて見りゃ間違えようがなかったハズだぞ」
ポンポンと、ありすの頭の上で手をバウンドさせる計佑。
「……おいけーすけ。人の頭をボールにするのは流石に失礼だろ……」
アリスがじろりと睨むも、
「あ、悪い。なんかオマエの頭触ると気持ちよくてなー。キレイな髪してるもんな」
「バっ……!! なんなんだよっ、オマエはも〜!!」
あっという間に赤い顔で俯いてしまう。
まくらは二人の少し後ろをついてきていたのだが、そんなやり取りに苦い顔で呟く。
「……まずいよ〜……計佑が子供相手だとここまで強くなるなんて〜……どんなにちっちゃく見えたって、二つしか歳違わないのにぃ〜……」
そんなまくらの嘆きなど聞こえていない計佑とアリスは、
家に着くまでイチャつき(傍目にはそうとしか見えない)を続けるのだった。
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「送ってくれてありがとうな」
「……おっおう……」
「……いっ、いいんだよそんなの……」
アリスの礼に、引きつった言葉しか返せない二人。
三人の目前には、『ザ・豪邸』といった建物があった。
「アリス、オマエすんごいお嬢様だったのか……?」
「バッカ、さっきも言ったろ? 今は親戚の家にお世話になってるって」
「あ……そうだったな……」
ショックの大きい光景で忘れてしまっていた。
「ちょっと寄ってくか? 『ヒミツ』にしてたこともそれで分かるぞ?」
門扉を開きながら振り返ってきたアリスは、ニマっとした表情をしていた。
「……え……?」
計佑は、その顔に見覚えがあった。
「お前、まさ──「アリスっ!! 遅くなるならちゃんと連絡しなきゃダメでしょ!?」
計佑の声に、少女──豪邸から出てきた──の声が被せられた。
アリスが声の主に振り返り、
「お姉ちゃんっ!! ただいまぁ」
抱きついていく。
「……雪姫先輩……? お姉ちゃんって……」
まくらがぽかんとした声を上げた。
直前にその可能性に気付いた計佑は声こそ上げなかったが、やはり驚いた事には変わりがなく。
まくらと一緒に唖然として立ち尽くす。
「計佑くんにまくらちゃん……? 何でここに……?」
じゃれつくアリスを抱きしめながら、アリスの従姉妹──雪姫もまた、戸惑いを見せるのだった。
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<19話のあとがき>
基本原作通りの流れなのは、
自分では新しくイベントとか考える自信がないのが一番の理由ですけど、
他の目論見として
『この世界の話を僕にとってのトゥルールートという事にして楽しもう、
そして基本、原作通りの流れであるこの話だったら。
原作コミック二巻(の島編)までは、この小説の挿絵としても楽しめるようになるかな』
みたいな物もあったりします。
なので、少なくとも14話までは原作に出来るだけ忠実にいこうと思ってました。
それ以降に関しては、原作コミックも半ば封印するつもりでいるので、
当然この話の挿絵として楽しむことも余りなさそうだし、改変増やしていこうとも考えてたりします。
そして今回はアリス登場なのですけど。
最初に考えていたものよりは、随分と出番が多くなりました。
書き始める前には、アリスはいっそ存在ごとなくしてやろうかと考えてたくらいなんですけど(汗)
今回書いた通り、雪姫ちゃんにとって、もはやまくらちゃんは頼りになる味方です。
まくら派の人から見たら、鈍感で無神経に見えるのかもしんないけど、
雪姫派の僕としては、人の言うことを疑わない(計佑以外の男は除く)、
裏を探らない、とっても素直ないいコのイメージなのです(^^)
……そしてその雪姫の対極として、硝子の性格は腹黒に改造してたりするのですけどね……
その硝子なんですけど、
「なんか君望のマナマナを彷彿とさせるんだけど……」
って意見を頂いたコトがあるんですけど、決してあそこまで突き抜けたりはしませんです。
あくまでもラブコメのつもりでやってる話なので、ヤンデレとかにはなりません、
ので、そういうのがダメって方には、安心していただきたくm(__)m
で、アリスの事に話を戻して。アリスの取り巻きには消えてもらいました。
あと、話つくりやすいように小学生サイズにしちゃいましたけど……
でも原作のほうも、大きさ的には小学生って感じですよね?
作中では誰も言及してないけど……
原作ではまくらが大げさに否定する恋人疑惑ですが、
こちらでは落ち着いて否定してますね。
こっちの世界のまくらは、もう気持ちの整理が半ばついてるという事?
──ゾクリとする嗜虐心も感じていた。雪姫が、計佑の涙目に感じるものと同様に。
↑
計佑と雪姫の距離が、一歩近づいた感じが出てるといいな……今までは、雪姫ばっかりSになってたから。
いつぞやの後書きで、「後半の計佑はいいトコ全然ないもんなー」とか書いたかもですけど、
原作19話にもありましたね……なんかいいコト言うシーン。
でもあれは、まくらといい雰囲気だからな〜……認めたくないな〜(-_-;)
というワケで、こちらではいつも通りの朴念仁セリフに書き換えたり。
あと兄妹テイスト増し増しに。
そして、アリスに対する計佑はもう完全に別人ですね……。
でも雪姫に対してはアワアワさせてばっかだから、
計佑もカッコよくしたい僕としては、こういう面も持たせてやりたかったのです。
まあ雪姫のことで逆襲されない限り、基本的には計佑×まくらもこんな感じのイメージだったりします、僕ん中では。
まくらに対しては、家族という感覚もあるので基本気恥ずかしくて褒めたりは出来ないワケですが、
他人であるアリスにはガンガンに褒めてしまえるという感じで。
しかも小学生としか認識してないので、一切テレなし。
最強ですね、子供相手なら。
次回以降、この計佑とアリスの関係改変がラブコメとしては大きく意味を持ってくるので、
この辺りの改変は、なんとか容赦を頂きたいですm(__)m
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第20話 『白井家での一幕。「そう、この顔だよ……私で一杯になっている時の、計佑くんだぁ……」』
<20話>
正体を偽っていたアリスは、実は雪姫の従姉妹で。
そして、アリスが今暮らしているのは雪姫の家で。
作品名:白井雪姫先輩の比重を増やしてみた、パジャマな彼女・パラレル 作家名:GOHON