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白井雪姫先輩の比重を増やしてみた、パジャマな彼女・パラレル

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「おいまくら、もう10時になるぞ。お前はもう寝る時間じゃないのか?」
「えっ? ……ホントだ。……うーん、今日はホタルちゃんと色々話したいんだけどな〜……
あっそうだ!! ホタルちゃん、ウチに泊まりなよ。
しばらくこっちにいるんなら、夜はいつもウチに泊まるといいよ」

 まくらがニコニコと誘って、ホタルは勿論ニコニコと、

「いやー!!」
「うんうん、いいんだよ……え? ……いや……?」

 まさかの答えに、まくらが固まった。

「うんっ、わたしはケイスケと一緒に寝るからー、まくらのとこにはいかなーい」

 そうまくらに言い放つと、計佑の胸に飛び込んでくるホタル。

「お、おいおい……」
 
 予想外のホタルの言動に、計佑も戸惑う。

「け、計佑……!?  何考えてるのっ!?  女の子と一緒に寝るなんてっ、このヘンタイ!!」
「こっコラ!! 人聞きの悪いこというな!? こんなちっこい子だぞ!!」
「どんなにちっちゃく見えたって!!  ホントは16歳の姿なんだよ!?  そんなの認められるワケないじゃん!!」

──その後、話し合いは難航した。
まくらとしてもどうしても引けないらしく、随分食い下がってきて。
しかしホタルも駄々をこねて、一歩もひかない。
もうどうにもならなくなってしまった所で、

「……オレのヘタレ力を信じろよ……」

 計佑がそう自虐してみせて、ようやくまくらが引き下がってくれたのだった。

─────────────────────────────────

 その後、計佑も就寝の時間を迎えて。
計佑はホタルと添い寝をしながら、話を続けていた。

「……でも、なんでウチにこだわったんだ? お前、まくらとのほうが仲良かったよな……?」

 子供の頃、一晩だけの3人の時間。
あの時ホタルと、より仲良く遊んでいたのはまくらだった筈だ。

「んーう、なんでかなー? ちっちゃくなってから、なんかケイスケのコト大好きになっちゃったのー」

 ごろごろと頭をすりつけてくる幼女。
 小さい子に懐かれて、悪い気はしない。計佑も頭を撫で返した。

「ほんと、かわったことばっかりだよー。これも世界越えのせいなのかなー。
ほんとなら、まだちっちゃくなる時期じゃないし、こんな成り方でもないんだよねー。
なのに突然この大きさになっちゃってさー。
だから戻るときも、けっこういきなりだったりしないかなーとキタイしてはいるんだけどー」
「えっ……」

 ホタルの言葉に、ギクリとした。
元のホタル……あのクールな目付きの少女だったら、自分が添い寝していた状況をどう思うだろうか……?
それも、もし。添い寝している真っ最中なんかに、元のホタルに戻るなんて事になったら──

「なっ、なあホタル……元に戻った時のお前は怒ったりしないかな?
『一緒に寝るなどと、なんてふしだらな!! 恥を知れ!!』とか怒り出したりしないかな……?」

 浮かんでしまった未来図に、恐る恐る確認をとった。

「あはは〜、そんなコトいうわけないよー」

 ホタルがケラケラと笑って否定する。

「そっそうか?  だったらいいんだけど……」
「きっとナニも言わないで、すぐに取り殺そうとするだけだよー」
「ちょおおおおおおおお!!??」

 幼女からのとんでもないオチに、少年が泡を食った。

「なっなにそれ!!? えっオレ殺されちゃうのっ!?  ちょっダメダメ、お前今すぐ出てけ!!」

 流石に殺されると聞いて、ワガママを聞く余裕はなかった。
普通ならまだ冗談の余地もあるが、相手はこちらの身体に色々と干渉もできる幽霊なのだ。
その気になられたら、本当に抵抗の余地なく殺されてしまう……!!

「あーん、うそうそー!! ジョーダンだから、そんなコトいわないでー」

 目に涙を浮かべてホタルがしがみついてくるが、もう計佑も折れるつもりはなかった。

──のだけれど、結局少年は折れる羽目になった。
ホタルがビービーとガン泣きを始めてしまっては、甘い少年ではやはり無視出来なかった。
 せめてもの抵抗にと、ホタルに背を向けて寝転がった少年は、

──絶対に寝返りをうつなよオレ……!!  明日も生きるために……!!

 そんな悲壮な決意で、眠りにつくのだった。

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<20話のあとがき>

痛いトコロを付かれて、軽く俯いてしまう計佑。それ以上聞きたくなくて、計佑はアリスの頭を乱暴に撫でた。

この辺は、一応計佑がなかなか雪姫にオッケーできない理由の1つとして。
「自分なんかじゃ先輩には申し訳なくて」な気持ちはどうしてもあるって感じで。

お姉ちゃんは、毎晩オマエの写真とそのストラップにおやすみを言って、キスしてから寝るくらいオマエが好きなんだぞ!?
↑ザ・ファンタジー……うん///

使われる事がないのを分かっててもクマストラップ送ったのは、計佑とお揃いのを持っていたい乙女心みたいな感じ?

計佑から遠慮が消えて、雪姫に触れるシーン。
うん、こういうのを見たかった!! 濱田先生の絵で!!
久々に、"自分では" 満足できる計佑×雪姫を書けた気がします。
最近は、他のキャラばっか出張ってましたからね〜……

原作先輩は、まくらに嫉妬してましたが。
こちらでは、まくらは雪姫の心強い味方。
というワケで、ヤキモチの対象はアリスにしてやりました。
前回あとがきでも書いたかもですけど、
初めはアリスの出番いらないかなーっと思ってたんですが……実にいい仕事してくれました。
強〜い計佑が書けて、
雪姫に明るいヤキモチ焼かせるコトができたのは、こういうアリスの存在があってのコトで。

でも、自分には自分だけの"特別"がある。そう思ったら、雪姫の心は一気に軽くなった。
──ありがとう、まくらちゃん……!!
↑↑ 
恋に盲目というのもちょっと株が下がる気がしたので、ちゃんと周りに感謝するところをば。
たしか原作の、ケガした計佑にあーんするところでも、周りへの対応が感じ悪いんじゃとかどっかで見た気がするので、あそこを改変した時も一応は気をつけたんですよね……

雪姫の胸に飛び込んでしまうシーン、原作のままだとやっぱりちょっと無理があるので(汗)
(まあそんな事は濱田先生も承知の上で描いてるのはわかりきってるんですけどね……
やっぱり、週刊連載で無理がない話運びってめちゃ厳しいと思うんですよね……)
ホタルを利用して、あんな感じにしてみました。

計佑が足を崩して座ったところで、
「おいおい、原作の名シーンである胸へのダイブを失くすのかよっ」
と一瞬でも思わせるコトが出来ていたなら、狙い通りって言えるのですけど……

まあ、その後の雪姫のリアクションは、やっぱり無理あるかもしんないですけど、
直前にドン底まで落とされてる事を考えたら、まあラブコメ的には許容範囲……じゃないかな?(-_-;)
というか、そんなヘ理屈はともかく、ああいう暴走先輩を、僕としてはすごく見たかっただけなのですm(__)m

ホタルは、原作の世界で、その後十年以上榮治さんを探してた感じで。