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白井雪姫先輩の比重を増やしてみた、パジャマな彼女・パラレル

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それからこっちに跳んできたってことにしようかなあと。
……でも時間遡れるなら、なんてもっと飛んで、榮治のとこにいかなかったのか(汗)
うーん……
これ以上飛ばないのは、一回の移動でも意外と変化が大きくて、今度飛んだらどれだけ変わるか警戒して?
それから、自分のコトを認識出来ない榮治のそばにい続けるのは、かえって切ないだとか、
あとあと、遡るのは10年程度が限度だったとか……
うーん、そんなくらいで勘弁して下さいm(__)m

原作では、後半は屋上で雪姫と……でしたけど、なんかもう長くなってきたので、次回にスライドしました。
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第21話 『あの時の公園で。「結局……計佑くんは、私のことキライなの……?」』


 <21話>


 計佑たちが帰宅した後、雪姫は自己嫌悪で酷く落ち込んでいた。

──……いったい何をやってるの……私……

 計佑の頭を抱き込んで、自分の胸に埋めるだなんて。それも、まくらやアリスが見てる前で。

──……完全に、痴女じゃないの……

 ズブズブと落ち込んで、机に突っ伏してしまう。
 まくらのフォローで、とりあえず場は収まったようだったけれど、
本当に『病人を抱きかかえてあげただけ』という範疇に収まる振る舞いだったかは、甚だ怪しかった。
でなければ、あのまくらが睨みつけてきたりするとは思えない。

──……まあ……それでも、あの計佑くんならきっと納得してしまうんだろうけど……

 あの初心な少年の場合、多分まくらから与えられた理屈に飛びついて納得してしまう筈だ。
……一応は、幸いなことに。
 しかし、ああいう鈍すぎる相手だからこそ、自分があんな愚挙に及ぶ羽目にもなった訳で。
そう考えていくと、ため息が出てしまう。

 今日はアリスまで泣かせてしまった。
 素直なコだから、目を合わせて
「計佑くんが貧血で倒れてきたから、心配になって抱きとめてあげてただけよ」
 と雪姫からもそう口にしたら、信じてくれた。……罪悪感で、ちょっと胸が痛かったけれど。

 まくらにも後で電話で詫びたが、
『いえ、私も似たような事やっちゃった経験あって……雪姫先輩の気持ち分かるし、責める資格とかなかったんですよね』
と苦笑した感じの声で慰めてまでくれた。本当にいい子だと思う。

「……はぁ……」

 また溜息がもれた。時刻を確認する。
いつもならアリスが一緒に寝ようと、部屋を訪れてくる時間を過ぎていた。
『今日はちょっと疲れちゃったし、一人にさせてくれる?』
そう伝えておいたので、アリスがこちらに来ることはなかった。
 そして、また物思いに耽る。
なんであんな恥ずかしい真似をする羽目になったのか……そこに戻って。だんだん、少年への怒りが湧いてきた。

──……なんであんなコトにって……そもそも、計佑くんが悪いんじゃない……!!

 上げて落として上げて落として。
どれだけこちらを振り回せば気が済むのだろうか。
いくらなんでも悪質すぎると思う、今日のは。

──そりゃあ、わかっててやってるワケじゃないんだろうけど……

というか、分かっていてやっているならドSとかいうレベルではない。

──それにしたってあんまりだよ……!! 絶対普通じゃないよ……!!

 好きだと言ってきている相手を前にして、普通あんな風に他のコといちゃつく姿を見せつけたりはしない筈だ。
普通の男の子とは違ったからこそ、こんなに好きになってしまったのだけれど。
愛しの少年は、悪い意味でも普通ではなかった。
 はぁ、とまたまた溜息をついて。計佑とアリスの仲睦まじい姿を思い出す。

──……計佑くんは、アリスのコトは子供みたいにしか思ってない。それは間違いないんだけど……

 にしても、あのいちゃつきっぷりはどうだろう。
あの仲の良さは、今の雪姫が憧れる姿をまさに体現したものだった。
計佑とまくらのような遠慮のなさすぎる関係は、今の自分には刺激が強すぎる。
 それは先日の部活で思い知らされた。
しかし計佑からアリスへのそれは、気安さこそまくらに対するそれと変わらないが、
優しさがまくらへのそれとはまるで違っていて、今の自分が憧れている姿そのままだったのだ。

──……私だって……だっこされたり、髪を梳かれながら褒められたりしてみたい……!!

 子供みたいなアリスに嫉妬するというのも恥ずかしい話だったけれど、それが正直な気持ちだった。

──それに……どんなに小さく見えてもアリスは中二なんだし……

 計佑と2つしか違わない少女。そう考えれば別に嫉妬してもおかしくない筈だ。そして。

──……2つの歳の差……それは私も同じなんだよね……

 雪姫は、自分が計佑より歳上というのをあまり気にした事はなかった。
 最初の頃こそ、計佑に対して可愛いと思う事は多かったものの、
じきに彼に依存する部分が強くなっていって、今では自分の方がかなり甘えてしまっているからだった。

──……歳のことは気にしてなかったんだけど……でもっ、実は計佑くん、年下の方が好みだったりするのっ!?

 以前に島で聞いた時には、一番意識している女のコは自分だと答えてくれた。
けれどあの時には、アリスとは知り合っていなかった訳で……

──もしかして今、計佑くんの『彼女』に一番近いのはアリスだったりするっっ!!?

 今夜の様子からすれば、アリスも満更ではない筈で。
 計佑だって、ドキマギさせられてばかりで緊張する相手より、
安心して傍にいられる相手を、やがて好ましく思うようになるかもしれない。

──そうだよっ、私自身だって『安心できるヒト』って理由から、計佑くんのコト好きになっていったじゃない……!!

 そう気づいたら、いてもたってもいられなくなってきた。
ガバっと立ち上がると、落ち着かない様子で部屋をうろつき始める。

──……いやいや、待って待って……それも早急すぎる考え方じゃない?

 いくら初心な少年といっても、いつまでも自分に対してドギマギばかりし続ける訳ではない筈だ。
現に今日だって、初めて計佑の方からまともに触れてきてくれたじゃないか。
 経緯は違うかもしれないけれど、
過ごす時間を重ねていけば、より仲良くなれるというのはこちらだって変わらない筈で。

──……そうだよ……つまり、どちらが有利かなんてまだ分からない訳で。
  ……じゃあそれを知るためには……計佑くんの好みが分からないと……

 正面から聞いても、一応答えてはくれるだろう。
けれどあの鈍い少年の場合、自分の好みすら自覚していないかもしれない。
 彼の本当のところを知る為には……言葉よりも、素の反応を伺いたい。
そんな風に考えて、1つのアイディアが浮かんだ。

……計佑のことに関しては時々バカになってしまう少女は、この時にはそれをいい考えだと思っていた。

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 次の日の講習終了後、部活前。計佑はメールで、雪姫から屋上へと呼び出されていた。

──本当に、ホタルは寄って来なくなっちゃったな……

 計佑は階段を登りながら、午前中の事を思い返す。