二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

ガガーブその向こう側 前篇

INDEX|3ページ/4ページ|

次のページ前のページ
 

「あ!トーマスさんっっ」
「ん、ようローディ」
ここでようやく男の名前が出てきたので紹介しよう。
男はトーマス。
臥ヶ武高等学校3年の超不良だ。
「今日は間に合うように登校するって言ってたんで、ここで待ってました!」
この犬のようにトーマスに懐いているのは2年のローディ。
トーマスの男気に憧れる弟分だ。
ちなみに、年中いつでも体育着を着ている。
「相変わらず体操服だな、お前学ランはどうしてるんだ」
「え?持ってますよ、家に」
「・・・」
何と返したらよいのかわからず逡巡しているところに、
助け舟か泥船か、とにかく一人の男が大声をあげて校舎に入ってきた。
「セーーフ!
何だか知らないけど、風紀委員も誰もいなかったし、オレってラッキーー」
グ○コのパッケージ顔負けのポーズで入ってきたチャラそうな男に
半ズボンローディがツッコミを入れた。
「ラッキーー、じゃねえよ」
「うわっ、なーんだトーマスとその金魚のフンの・・・」
「ローディだ!!!」
「驚かすなよ〜、先生かと思っただろ?」
「無視かよ!!!」
「ふっ、グースあんたも遅刻魔だな」
このグースという男、トーマスと同じ3年生である。
トーマスのように番長になるわけではないが、違った方向の不良で
二人は慣れ合うことこそなかったが、お互いを認め合っていた。
「おいおいトーマスに言われたくねえよ
大体オレの場合はいつもいつも・・・あ、やっべ
シャーラに頼まれた化粧品持ってってやらないと!」
グースは手に持った化粧ポーチをくるくる回し、そのまま階段を上がっていった。
「慌ただしいやつだな、全く」
「ローディ、お前もそろそろ教室に帰った方がいいんじゃないか?」
「ああ、はい、そうさせてもらいますっ」
ローディの返答を待たずに、トーマスは階段を昇っていたが、途中で引き留められた。
「そうだ、報告が一つあったんでした」
「?」
「ラモンの奴がどうも仲間を募ってるようで」
この名前が出て、トーマスは雰囲気を変えた。
ラモンというのは、トーマスの宿敵、ライバル、、
去年の春に転校してきてから、トーマスを仇敵と定め
事あるごとに絡んでくる、面倒な相手であった。
「この間トーマスさんにコテンパンにやられたのが不本意だってんで・・・」
「いいじゃねえか」
「え?」
「くく、何人呼んでもいいぜ、俺を楽しませてくれんならな」
「さ、さすがトーマスさんっす!」
「最近なまってたからな、腕が鳴るぜ」
何があったというわけではない。
喧嘩を挑んでくる相手がいなくなったからか、高校3年生という時期だからなのか
ここのところトーマスは理由のわからない深い乾きを感じていた。