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無未河 大智/TTjr
無未河 大智/TTjr
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鎧武外伝 仮面ライダー神武

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 何処からともなく、知記は沢芽市に現れた。
 それを最初に見つけたのは、サガラだった。サガラの手によってユグドラシルへ連れていかれ、そこで記憶喪失だと判断された。そして、ある程度の日本語と生活で必要な知識と資格を与えられ、晴れて沢芽市で市民権を得た。
 そこまで面倒を見てくれたのは他でもない、呉島貴虎だった。貴虎はユグドラシルタワーに隣接する病院へよく赴き、世話を焼いていた。貴虎のお陰で普通の人間と何等変わらない程度まで回復した知記は、今でも沢芽市で普通に暮らしている。
 そんな中で、先の事が起こったというわけだ。

 紘太はそれを黙って聞いていた。
「俺に何があったのか、何があって沢芽市にいたのか、俺はそれを知らない。だけど、そんな俺を助けてくれたそいつには、感謝してもしきれないよ。」
 知記は、ある程度の事情を紘太に話した。無論、サガラ以外の人名とユグドラシル関連、ユグドラシルを脱走したことを除いて。
「そうか、ミッチの兄ちゃんはいい奴なんだな。」
「まあ、あいつがやりたいことの一環で、俺を助けたのかもしれんが。それでも、感謝はしているよ。」
「知記…。」
 知記は手を二回叩き、そして言う。
「さて、しんみりした話もこれで終わりだ。そろそろ準備しろよ。」
「あ、ああ。そうだな。」
 明日は合同ダンスイベント。参加が決定しているのは鎧武とバロンだけだが、それでも彼等は他のチームが来ることを信じていた。
 知記はそれを見守ることにしていた。
 そんなときだった。
 紘太とともに合同ダンスイベントのステージを下見に行こうとしていた時のことだ。突然クラックが目の前で開き、そこからインベスが二体出現したのだ。コウモリに似たモノと、ライオンに似たモノ。目の前に現れたそれは、二人を見かけるとすぐに襲い掛かってきた。
 それに二人は迅速に対応した。
「知記、行くぞ!」
「ああ。」
 二人はドライバーを取り出し、腰に装着する。
「あれっ、お前そのベルト…。」
「ごちゃごちゃ言ってる暇があるか!後で説明してやるから、今は…。」
「分かってる!」
 紘太が余計な事を聞いたせいで、インベスが生身の二人に攻撃をしかける。二人はそれを軽々と避け、一発ずつインベスにお見舞いし、ポーズを取り叫ぶ。
「変身!」
『オレンジ』『レモンエナジー』
「変身。」
『アップルエナジー』
 ロックシードを装着し、ベルトを操作する。
『ロックオン ソイヤッ ミックス オレンジアームズ 花道・オン・ステージ ジンバーレモン ハハァ』
『ロックオン ソーダァ アップルエナジーアームズ』
 変身音が鳴り、それぞれ変身が完了する。
 紘太はアーマードライダー鎧武ジンバーレモンアームズと、そう呼ばれる姿に変身した。
 また知記は。
「知記、その姿は…。」
 知記の頭上に降ってきたアーマーパーツ。それは、斬月・真のメロンエナジーアームズと酷似していた。展開し、鎧となったそれも酷似している。違っているのは、胸の刻印と所々が赤くなり、オレンジ色の部分が金色に輝き、緑と赤と金が混在している点か。そして斬月・真とは違い、元の神武のライドウェアとは変化が見られない。ベルトとアーマーパーツが変わっただけである。そのベルトのロックシードは、従来のロックシードと同じようにキャストパッドが開いており、本体側の切り口の縁は赤、キャストパッド側は緑色をしており、断面はこれまた金色をしていた。
「そうだな…。今から俺は、神武・仙(じんむ・せん)とでも名乗ろうか。」
 アーマードライダー神武・仙アップルエナジーアームズ。自らをそう呼んだ。
 神武・仙は右手のソニックアローを構え、ライオンインベスを見据える。
「じゃあ、コウモリっぽい方は任せたぞ、葛葉。」
「ああ。」
 少し納得は出来ていないようだが、紘太はコウモリインベスを見据えた。
 それぞれの敵を目の前にした二人は、一斉に走り出した。
 二体のインベスは、それぞれ攻撃を仕掛ける。だが二人のライダーはそれを避け、それぞれ手に持つソニックアローで切り裂く。
 刹那、コウモリインベスは飛び上がり、鎧武達の裏側をとった。そしてそこから攻撃を仕掛ける。
「させるか!」
 鎧武は振り向き様にソニックアローを左手で引き絞り、放つ。そこから放たれた矢は、コウモリインベスを貫いた。
 インベスはそれで失速し、地面に墜落した。
「やるじゃねぇか。」
 神武・仙もライオンインベスをソニックアローで何度か切り付け、遠ざけた後ソニックアローを左逆手に持ち替えて射抜いた。位置を変え、なおも神武・仙はインベスを斬る。
 同じく鎧武も無双セイバーを左手に持ち、両手の刃でインベスを斬った。
 それにより二体のインベスは、鎧武と神武・仙のちょうど真ん中に位置するように倒れた。
「さて、そろそろ止めと行こうか。」
「おう!」
 神武・仙は、ブラッドオレンジロックシードを解錠し、ソニックアローに取り付ける。
 倣って鎧武も、ベルトのレモンエナジーロックシードを取り外し、同じくソニックアローに取り付ける。
 そして同時に錠を締める。
『『ロックオン』』
 神武・仙は走り出し、ベルトのシーボルコンプレッサーを一回絞った。
『ソーダァ アップルエナジースカッシュ』
 その足で走った先にいる二体のインベスをそれぞれ切り上げる。
「ふっ!はっ!」
『ブラッドオレンジチャージ』
 しかも適当にではなく、それぞれが一直線状になるようにだ。
 その時、既に鎧武は準備をしていた。ベルトのカッティングブレードで一回切り、ソニックアローを引き絞る。
『ソイヤッ オレンジスカッシュ』
 すると、オレンジとレモンの断面のようなエネルギーの輪が幾重にも出来、それがインベス達への道筋を作る。狙いを定めて、弓の向く先でインベス達が一直線になるときを狙う。
「今だ!」
 刹那、鎧武は引き絞った矢を放った。
『レモンエナジー』
 放たれた矢は、オレンジとレモンの断面のようなエネルギーを通り、二体のインベスを順番に貫き、爆散させた。
「ふぅ…。」
 鎧武はため息を吐き、ベルトのキャストパッドを閉じた。
 同じく神武・仙も、キャストパッドを閉じる。
 二人の変身が解除され、元の生身の人間に戻った。
「こんな事をしても、ビートライダーズの汚名は簡単には晴れないんだけどな。」
「それでも、誰かがやらないといけないことだ。この力を持つ俺達は、正しく使って戦わないといけない。」
 紘太は、取り外したレモンのロックシードを握り絞めた。
「そういえば、なんでシドや白いアーマードライダー達と同じベルト使ってんだよ。」
 話を切り替えた紘太は、早速先ほど聞きそびれたことを聞いた。
「ああ、お前がユグドラシルに捕まった時さ、あのあとシドと一回やり合ったんだ。そんで負けて戦極ドライバー壊されたんだよ。それでユグドラシルの知り合いに頼んで今修理してもらっているところだ。」
「なるほど…って、それが出来るなら初瀬は!」
 紘太は激昂し、知記の襟首を掴む。
 そんな紘太に知記は冷静に対処する。