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For the future !

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明日、男子フリー100メートルのレースがあるから。
そのまえに、凛に立ち直ってほしかったから、こそ。
「ハル」
凛が遙を見据えて言う。
「俺はおまえを裏切るようなこと、絶対にしてない」
強い声で告げた。
「あとでちゃんとそれを証明する。だから、この件について今はもうなにも考えるな。明日の試合に集中しろ」
真剣な眼差しが向けられている。遙の心まで射貫こうとするかのような視線だ。
だが、少しして、その緊張がふっとゆるんだ。
「……おまえが全力出さねぇと、張り合いがねーからな」
さっきとは打って変わって、軽く言った。
遙は眼を細めた。
「結局、おまえの都合か」
いつもの素っ気ないぐらいの冷静な声が出て行く。
「やっぱり、自分勝手だな」
批難するような台詞。しかし、遙は凛を批難するつもりはなかった。
ただ、いつものようなやりとりがしたかっただけ。
それを察したらしく、凛は少し笑った。

部屋の灯りは消えている。
遙はベッドに身を横たえていた。隣のベッドでは凛が同じように寝ているはずだ。
眼をつむると、頭にいろいろなことが浮かんできて、それに伴って、いろいろなことを思い、考えてしまう。
けれども。
俺はおまえを裏切るようなこと、絶対にしてない。
屋上で凛に言われた言葉。
思い出したその声が強く響いた。
ざわめいていた心が静まり、遙は眠りに落ちた。










作品名:For the future ! 作家名:hujio