かじみちつめ
加地未知デートシーンが嬉しすぎて長々と細かく書きすぎてライフがゼロに近づいてまいりました………………。
でも!
これからが最大の加地未知シーンなんですよねえええええええええ!!!!!!!!
オペまえの未知子。
手を洗っている。
その表情がなんだか浮かない感じに見えるのは寂しそうに見えるのは気のせいですか!?
だって、この場面でかかってるBGMなんだか沈んだ感じですよ?
これって、昨日の加地先生とのやりとり思い出して、仲違いみたいな感じになっちゃたの、加地先生は自分と同じだと思ってたのに自分が嫌いな医者のタイプだったのがわかってショックだったとかじゃないんですか!?
そうでないなら、思わせぶりなこのシーン、いらないじゃないですか!
公式様、そう思わせるように狙ってますよね?????
未知子は加地先生のことを(無意識下かもしれないけど)想っているってことでいいですよね!?
廊下を歩いてくる加地先生。
向こうから天堂総長&秘書が歩いてきたので、近づくと加地先生はしっかりと挨拶をする。
天堂総長は今日のオペは初症例ですね、期待してますと声をかける。
加地先生は「御意!」と深々と頭を下げる。
一見加地未知関係ないけど、加地先生に与えられたプレッシャーの大きさを書いておきたかったので。
これだけ大きなプレッシャー与えられての……ということですから。
そして、オペ室。
加地先生が部分椎弓切除による後方除圧固定術および凍結自家がん移植の開始を宣言する。
未知子はなにか思うところがあるような表情で加地先生を見る。
そのオペの様子を、富士川先生と阿智先生と加藤事務局長が見ている。
一方、海老名たんは部長室にいる。
原先生に話しかけられて、海老名たんは「私も東を束ねる人間としての矜持がある」と言う。
このときの横顔が、なんだか儚げで、寂しげで……!
海老名たん……!
ふたたびオペ室。
腫瘍の椎体浸潤が悪化している。
「これじゃあ部分切除だと腫瘍は全部取り切れない。凍結自家がん移植しても根治は難しい」と未知子は厳しい声で告げた。
加地先生は未知子の顔をじっと見る。
それから、オペ室を見おろすように観察している富士川先生のほうを見た。
そんな加地先生に未知子はキッパリと言う。
「全摘!」
加地先生はふたたび未知子を見る。
「全摘したら二週間での退院は無理だ。患者のオーダーに応えるのが俺たちの仕事だ」
その正論にも聞こえる加地の台詞に、即座に未知子は鋭く言い返す。
「あんたまた患者に失敗したって言われたいの?」
……くうううううううう!
この未知子の台詞、加地先生のことを批難しているようで実はむしろ思いやってこその台詞ですよね!?
この回、本当に未知子からの加地先生への思いやりに満ちていて、たまりません!
加地先生は未知子をじっと見る。
そして、その眼を伏せた。
直後。
「なにやってんや?」
富士川先生がオペ室に問いかけてきた。
加地先生はそちらのほうに眼をやる。
「とっととやんなはれ。加地先生、わしの論文でやるんや! 手術を続けなさい!」
加地先生はまた眼を伏せた。
そんな加地先生に未知子が問いかける。
「それとも上から失敗したって言われたくないの?」
見据えてくる未知子の眼、それを加地先生はじっと見る。
けれども、またその眼は伏せられる。
すると。
「だれのためのオペなんだよ! ボケ!!」
未知子が怒鳴った。
……これってさぁ、これってさぁ、ぜんぜん期待できないひとにはやらないよね!?
未知子は加地先生が三年前に失敗したわけではないのをわかっているし、でもそれで加地先生が菜々緒ちゃんから脅されているのも知ってて、だからこそ菜々緒ちゃんがパリコレで出られるように西の富士川先生の論文を採用した(別に寝返ったわけじゃない)のもわかっていて、だけど術前検査の結果菜々緒ちゃんのがんが悪化していて加地先生が部分切除で対応できるかどうか心配していることにも薄々気づいている。
そして、上からのプレッシャーにも。
患者の希望、上からの意向は、部分切除(二週間での退院)。
だけど……。
加地先生は悩む。
本当は全摘したほうがいいってわかっているから、こそ。
そうやって加地先生が悩むのを、未知子はわかっていた。
信じていたんだと思います。
加地先生は、最終的には、金でも名誉でも選ばない、患者にとって最善のことを基準にして選ぶって。
これについては、ずーーーーーとブレてなかったと思います。
一期のときから、加地先生は文句を言いながらも、結局そっちを選んでいるんですよ。
それで左遷されたり。
三期に入って、左遷されたときに思うような手術ができなくなったのに懲りたのか上に従順なようになったけど、それでも病院側が嫌がった毒島の手術をやろうとした。あれも、未知子が手術をやってくれるとわかったからオペ室を去ったんだと思います。
腹腔鏡の名医で、マスコミにも引っ張りだこのスーパードクター。
でも、その名声にこだわっていない気がします。こだわって、危ういことは避けるような、腕を出し惜しみするようなことはしない気がします。
そういうの、未知子はちゃんとわかっているんじゃないかな。
加地先生は悩む。
「どうすんの?」
博美が問いかけてきた。
加地先生は答えずにうつむく。
その背後から。
「加地先生、ご指示を」
きりっとした声で白木看護師長が言った。
これって、博美も看護師長も、加地先生を信じてますよね?
このひとは、絶対、患者にとって最善の方法を選ぶって。
加地先生は看護師長のほうをチラッと振り返り、それから、富士川先生のほうを見あげる。
富士川先生は加地先生にうなずいて見せる。その背後で、事務局長も大きくうなずく。
加地先生にかかるプレッシャー。それは今ここにいない天堂総長からのものもある。それは大きい。
加地先生はうつむく。
その脳裏に、同意書を差し出したときの菜々緒ちゃんが浮かぶ。
「今度は失敗しないで」
そう告げて、凛とした真っ直ぐな眼で加地先生を見据えていた。
加地先生は悩む。
この悩んでいる時間が長い気もしますが、これだけのプレッシャー、そして患者の希望を考えると、深く悩むのは仕方ないじゃないですか。
この手術のあとのことも考えると、天堂総長の期待を裏切るようなことをすればこの病院を辞めなければならないだろう、そうなれば、また、助けたくても充分な設備がなくて助けられないことになるかもしれないって、悩みますよね。
簡単に決断できることじゃなくて。
そんな加地先生を未知子はじっと見ている。
今度はなにも言わずに。
加地先生の本質をわかっているから、その悩みが見えているから、待っている。
そして。
加地先生の眼があげられた。
その視線の先にいるのは未知子……?
加地先生は宣言する。
「大門先生の術式に変更」
未知子は表情を変えず、ただ顔をうなずくように動かす。
「なんやて!」
富士川先生はイスから立ちあがる。
「了解」
博美は微笑んで、視線を落とした加地先生に向かって言った。
看護師長は術式の変更にともなう準備を指示した。
本当にこのふたりは、加地先生がこうすることをわかっていたとしか! 待っていたとしか!