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かじみちつめ

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加地先生は未知子を見て言う。
「大門、おまえが言い出した術式だ、おまえがやれ」
このとき未知子は準備のためか加地先生を見てなかったり、見てもチラッとだったりで、さっきあんなにじっと見てたくせに素直じゃないなと思いました。
おたがい見つけ合うのは気恥ずかしいんですね。いや、そんなお年頃ではもうないような……。
富士川先生は怒鳴る。
「貴様! 術式変えるて、フリーターに責任全部押しつけるつもりやな! フリーターの術式なんか、失敗するに決まってるやろ!」
バンッと窓?に手のひらを叩きつけた。
未知子は富士川を見あげて言う。
「私の術式、失敗しないので!」
富士川先生はいまいましそうな顔になる。
加地先生は未知子をじっと見たあと、移動する。
未知子の横に行く。
「代われよ」
しかし、未知子は加地先生のほうを見ない。
「いたしません」
断った。
驚いたような問いかけるような表情になる看護師長、博美もなにか思うところのあるような表情になる。
加地先生は顔をしかめて文句を言うように聞く。
「なんでだよ?」
「言ったでしょ」
未知子は加地先生のほうを向いた。
眼が合った状態で、告げる。
「患者にとって医者はあんたひとり」
さらに続ける。
「あんたもプロでしょう」
キツい口調。
そんな未知子を加地先生はじっと見る。
……未知子は加地先生のことを思いやって、だけど情けをかけるような言い方すると恩に着せるようだし加地先生の医師としてのプライドを傷つけるかも知れないから、わざと素っ気ない態度で、発破かけたんだろうなと思います。
それを、加地先生はきっと感じ取ったはず。
だから。
フンって感じに横を向いた未知子に、加地先生は言う。
「カッコつけやがって。せっかく譲ってやったのに」
加地先生は元の場所へ、執刀医のポジションにもどっていく。
これって、未知子の気持ちを感じ取って、未知子に合わせた行動ですよね!?
なんなのよ、このふたりは……!
オペ室に愛情が満ちあふれちゃってますよ!!
っていうか、看護師長とかも未知子の気持ちを察してましたよね!? 加地先生にオペを続けさせてあげたいっていう未知子の気持ち!!!
なんか看護師長が「不器用ねぇ」って感じに未知子を見ていたような気がしてなりません……。
執刀医のポジションにもどった加地先生は術式を次世代腫瘍脊椎骨全摘術に切り替えることを宣言する。
その加地先生を未知子は真っ直ぐ見ている……!
そして、宣言し終わった加地先生に優しい眼差しを向けている……!!
うぉおおおおおおおおおおおお!!!!!!!
未知子からの慈しみがすごい!
加地未知!
手術は加地先生と未知子によって着々と進んでいく。
ふたりの共同作業ですね!!!!!
なんかもう目頭が熱くなってきた……!
息ぴったりなんだもん。
早く結婚しろおおおおおおおお。
未知子嬉しいだろうな。自分と同じ早さで走れるひとと一緒に走れて。
「加ー地ー」と低くうなるように言っていた富士川先生は怒って見学席?から去って行く。阿智先生はそのあとを追う。事務局長はついて行きかけたがとどまる。
そんなことはお構いなしに、手術は着々と進み……。
やがて。
「終了」
そう加地先生は告げる。
「お疲れ様でした」
看護師たちはそう言って、加地先生に向かって頭を下げた。
すると。
なんと!
未知子が上体を低くして、加地先生の顔を下からのぞきこむように見る。
「お疲れ様でした」
からかうように告げた……!!!!!!!!!!!!
うぉおおおおおおおおおおおおおおい!
未知子可愛い、未知子優しい!
こんな未知子、今までいたっけ!?
だれかの助手やって、執刀医にこんな行動取ったことありましたっけ?
なんかもう、よっぽど嬉しかったのだとしか思えないんですけど!!!!!
加地先生が強いプレッシャーの中それでも患者にとって最善の方法を選んでくれたこと、そして一緒に手術したことが、嬉しかったんじゃないかなと思います!
そんな未知子をじっと見て、加地先生は言う。
「おまえなんかに会うんじゃなかったよ。おまえは最後の最後までデーモンだ!」
チッと仕打ちして、手を振りあげて振りおろす。
そんな加地先生に、未知子はウインクする!!!!!!!!
えぇぇええええええええええ!!!!!!
お茶目ってか、こんな未知子、今までいたーーーーーーーーー!!!!!!??????
特別扱いですよね!?
未知子が加地先生好きすぎて幸せです。
昇天してしまいそうです……。
そして、加地先生、もちろんご存じだと思いますが、悪魔とは魅力的なものなんですよ。ひとは悪魔に誘惑されるものなんですよ!
誘惑されちゃってますよね、もうとっくに!
「なんだそれ」
たぶんウインクに対する文句を言って、加地先生は執刀医のポジションから離れる。
さらに「あ”っ!」と声をあげながら両手を振りあげて振りおろす。
……照れ隠しですねー? ニヤニヤ
そのうえ。
オペ室のドアの近くまで来たときに、また声と片手をあげる。
「デーモン!」
おいおいおいおいおい!
かーなーりおかしな行動ですよ、加地先生!
照れくさくて照れくさくて挙動不審になっちゃったんですね! うわあああああってジタバタしたい感じなんですね!
離婚しちゃったけど結婚歴あるのに、なんなんですか、このひと!
未知子は天井を見あげちゃってるし(あきれたから?)。
加地先生がオペ室から出て行くと、未知子は一瞬振り返ってその去って行くのを見送る。
加地先生がいなくなる最後の最後までオペ室には愛情が満ちていたよ!
そのあと、未知子はいつもように患者の身体に触れて、優しい眼差しを向け、そして、去って行った。
すごい加地未知でした……!!!!!!!!



作品名:かじみちつめ 作家名:hujio