かじみちつめ
原先生は……、まあ、もとから「海老名部長のご判断は間違っていません。手術は危険すぎますよ」って言ってましたからね。でも、加地先生からは手を貸せって言われてちょっとは頼りにされてたのにな。
しかし。
加地先生は蛭間先生に対して退き気味だったのに、「大先輩をオペ中に大量出血で死なせるわけにはいきませんからね」と危険を回避するようなことを言っていたのに、手術を続けようとしたんですよね!
未知子はオペ室に入ってくるまでのことを知らないだろうけど、知っていてほしい。
たぶん、オペ室に入って、状況を見て、だいたいを察したと期待してます。
他の三人が手術をやめようとする中、たったひとり加地先生だけが手術を続けようとしたこと。
キューバ時代に、未知子は師匠である晶さんに教えられました。
「一番大事なのは、どんなに厳しいオペでも決して患者を見捨てないこと」って。
インオペ=手術を諦める=患者を見捨てる、ってとらえるのは乱暴だろうと思います。
でも、この場合はそれに近いんじゃないかなと思います。
蛭間先生の身体の状態はかなり悪くて、腫瘍の浸潤が進んでいて、ここでインオペしたら、きっともう次はないだろう。
三人の先生は諦めた。
でも、加地先生は諦めなかった……!
今やってしまわなければ、もう助けられないと判断したからじゃないかと思います。
だから、「やめられるか」って。
加地先生は蛭間先生に対する思い入れはない。むしろ退いてる感じだった。
それでも見捨てなかった。
こんなに厳しい状態であっても。
晶さんの言ってた「どんなに厳しいオペでも決して患者を見捨てないこと」を、晶さんから教えられたわけではない加地先生がしていた。
それを、未知子に知っていてほしい。
でも、たぶん、未知子はわかっているんだろうなぁ。
「患者のまんじゅう目当てだよ」なんて言う加地先生が、実は芯の部分は自分と一緒なんだって、薄々気づいているんだろうなって思います。
だから、「ボケ」とけなしつつも、そんな言い合いができる状況にまで持ち込んだ(諦めなかった)加地先生を認めてるんじゃないかな。
そして、「ボケ」とけなされつつも、加地先生は大門先生がやってきてくれて嬉しかったんじゃないかな。
それまで孤立無援状態にあって、術式について言い合える相手もいなかったから。
それに、さすがに上司である海老名たんがインオペ宣言してしまったら手術を続けられなくなっただろうし。
未知子にとって蛭間先生は「あんなヤツ」で、加地先生は蛭間先生に対して退き気味。
どちらも、蛭間先生に対して好感を持っていない。
それでも、見捨てない。
一緒なんですよね。
加地未知、尊い……!!!!!!!
公式様、ありがとうございました!
そして、加地先生は諦めなかっただけじゃない。
患者である蛭間先生の希望通りになるように、未知子を引っ張り出したのは、加地先生。
蛭間先生は加地先生に感謝したほうがいいと思います。
でも、まあ、加地先生は、そんなもんいらねぇよって言いそうですが。それより、まんじゅうくれって(笑)
話にもどって。
蛭間先生のオペをする未知子。
やがて。
「十二指腸部分切除完了」
そう未知子は告げて、次に移ろうとする。
そのとき、海老名たんが「手伝おう、攝子」と言って、攝子を看護師から受け取って、未知子の横から患部のほうへ手を伸ばす。
ちなみに攝子はピンセットのことらしいです。
検索かけて調べたんですが、こういった関係の検索かけるときは、グロい画像出てこないでねーと願っています。
しかし。
「そこ触らない!」
未知子の厳しい声が飛んできた。
そのあと、未知子は海老名たんのほうを向いて言う。
「どいて。脱線(?)されると返って困るから」(?付きの単語は聞き取れなかったもので、自信ないです。検索かけても違うっぽかった)
未知子は患部のほうに眼を向ける。
一方、海老名たんの眼は戸惑うように揺れ、そして伏せられた。悲しげな横顔。
そんな海老名たんに、原先生は憐憫の眼差しを向け、それからその眼を上へと向けた。仕方ないよなぁっていう感じでしょうか?
原先生の手も胸元にあるので、手伝ってはいないようです。
そして……。
はい、全体、映りました!
未知子サイドは、未知子が真ん中にいて、その隣にいる海老名たんと原先生は手を出せない様子です。未知子は加地先生の隣にいる看護師から手術器具を受け取っているようです。
一方、加地先生サイド。
真ん中にいるのは加地先生で、その隣は看護師、その反対側の阿智先生はたぶん助手的なことをしているっぽいです。
そして、加地先生の手は患部の上で動いている……!
未知子、加地先生は止めないんだ……!!!
それがわかった瞬間、嬉しくて嬉しくて、激しく萌えました!
未知子は加地先生を信頼してるううううううう!!!!!
まあ、そりゃそうだろうって思いますが、嬉しくて!
ボケとか言ってけなしてたけど、信じているんだなって……。
たぶん、単純に手術の腕だけでなくて、医師としても信じているからなんだろうなって……。
そのあと、未知子と加地先生はたぶん同じ手術器具(ピンセットっぽく見えるから攝子?)を持っていて、そのふたりの手が寄り添っています!
ええ、完全に寄り添っています!
未知子はもう片方の手で、鉗子?で縫合糸?を引き上げているので、未知子が執刀医で、加地先生はその補助的役割なのかなと思いますが、他の先生方がほとんど動いていないので、ふたりの共同作業のように見えてしょうがないです。
見ていて、ニヤニヤが止まりませんでした。
私、岩下志麻さんゲスト回、あるいは白木看護師長が未知子に壁ドン回、あるいは足柄先生さよなら回の、三話、オペ中に足柄先生の手が止まってその手が震え、それを見た未知子が足柄先生を押しのけて執刀医の位置に立ったとき、白木看護師長は「助手は手出しをしない!」って怒鳴ったのに対して未知子は「助手でも私、失敗しないので」と返し、未知子は「摘出を続行します」と宣言し、それから加地先生を見て「第一助手」と呼びかけて指示し、それに対して加地先生が「わかった」と応えて手術を続行し、そのあと未知子は白木看護師長に手術器具の指示をするけど渡してもらえず、未知子は自分で手術器具を取って手術を続行し、それを見ていた加地先生も何事もなかったかのように手術を続行するシーンが、大好きなんですよねー。
今回の最終回のこの蛭間先生のオペと同じで、クランケをあいだに挟んで向かい合って立って、ふたりの共同作業って感じで。そこには、ふたりとも口に出しては言わないけど、信頼関係があるように感じて、すごく萌えます。
三話のこのシーンを見ながら書いてるんですが、本当にいいですよ、このシーン!
そして、最終回の蛭間先生のオペにもどり……。
右半結腸・十二指腸部分切除が終了し、下大静脈合併切除および人工血管置換を始める。
その未知子のスピードを見て、加地先生は「はやっ」とつぶやき、阿智先生は「神業や」とつぶやいた。
やがて、肝臓が終了した。
未知子は海老名たんのほうを見て、「直腸がんの切除はできるわね?」と聞く。
海老名たんは「うん」とうなずく。嬉しそうな表情。か、可愛い……!