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かじみちつめ

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博美から未知子が蛭間先生のオペをしたことを聞いて、病室のベッドの上で晶さんがメロンと請求書を差し出すパントマイムをするのが、せつなかったです……!
そして、城之内先生、未知子がオペ室に来るまでの加地先生の孤軍奮闘ぶりを晶さんに教えてあげてください。宜しくお願いします。

銭湯の男湯のロッカーに晶さんはこれまでの未知子の手術代を置いていた。
現金および土地の権利書。
大門未知子外科病院の設計図と見積書もあった。
現金は二億円ぐらいあって、あれを持って帰るの、私だったら怖いな。とりあえずタクシー呼ぶかな。

夜の病院に未知子は晶さんに会うために行った。
しかし、晶さんのいた病室のまえには面会謝絶の貼り紙が。
そこに看護師長と看護師がやってきて、晶さんはホスピスに行った、どのホスピスに行ったのかは知らないと言う。
未知子はどこのホスピスに行ったのか聞き出そうとするが、他の患者さんたちの迷惑になるからと看護師長たちに病室のまえから連れて行かれる。
その様子を海老名たんは少し離れたところから見ていた。

晶さんは病室にいた。
天堂総長から本当に手術しなくていいのか聞かれて、晶さんは大門未知子に失敗させるわけにはいかないんですと答える。

翌日、白衣を着た未知子は総長室に行き、天堂総長に晶さんがどこのホスピスにいるのか教えてくださいと頭を下げる。
天堂総長は今後は未知子の面倒は自分がみる、さっそく連れていきたいところがあると言う。
晶さんに会わせてくれる?と未知子はついて行く。

しかし、未知子がつれていかれたのは会議室みたいな場所。
鮮やかなピンクのワンピースを着た未知子はど真ん中の席にいて、それを取り囲むように席がある。
未知子は晶さんに会わせてくれるんじゃなったのかと不満そう。
天堂総長は自分は国立高度医療センターを去り日本医療産業機構に移る、あなたにも一緒に来ていただきたいと言う。
未知子はそれ病院じゃないでしょとイヤそう。
天堂総長は特定国立研究開発法人日本医療産業機構理事会の一番まえの席、理事長席のほうへ行きながら、未知子のために国家予算を獲得し新規プロジェクトを立ち上げたいと思っていると言う。

一方、国立高度医療センターの晶さんの病室。
ベンケーシーの写真の入った写真立てが床に落ちた。
ベッドの上の晶さんの左腕が小刻みに震えている。
晶さんは右手でナースコールを押した。
病室に白木看護師長と看護師が駆けつけてくる。

病院の廊下。
晶さんがストレッチャーに乗せられて運ばれている。そのまわりには白木看護師長と三人の看護師がいる。
そこに……!
加地先生が駆けつけてきた……!!!
加地先生は病人の顔を見ると、看護師に問いかける。
「大門どこ行った!?」
!!!!!!
問いかけられた看護師は白木看護師長を振り返り「師長、どうしますか?」と聞いた。
白木看護師長は迷うように眼を伏せた。
すると。
加地先生は白木看護師長を見て、一喝する。
「すぐに呼んでください!」
!!!!!!!!!!!!!!
加地先生、かっけえええええええええええええ!!!!!!!!!!
旦那度がアップしましたよ!
駆けつけてくるまえの時点で容体が急変した患者が晶さんであることを聞かされていたのかもしれないですが、駆けつけてきてすぐに未知子がどこにいるのか聞くし!
そして、この、すぐに呼んでください!
未知子に会わせてやりたいという強い想いにあふれてる!!!
もう、本当に、旦那さん……!
早く結婚しろって思ってましたが、もう結婚してたんですね!
白木看護師長は悩んでいる表情になったが、その眼を看護師に向け、キリッとした声で言う。
「大門先生に連絡を!」
「はい」
返事した看護師は未知子に連絡するために去って行った。
うわああああああ!
加地先生の一喝で、あんなに会いたがってた未知子がやっと晶さんに会えるようになったよ!
絶対に未知子に会わせてやりたいという強い想いのこもった迫力のある一喝が、会わせるべきではない(患者本人である晶さんの意向・敬愛する天堂総長に止められている)と思っている看護師長の心を動かしたよ!
すごい……!
すごい旦那さん……!
カッコいい!!!
公式様、すごい加地未知シーン、ありがとうございましたーーーーーーーー!!!!!

日本医療産業機構理事会。
天堂総長は世界の数百万人を救う医療技術を開発するために是非大門先生のような医師に協力していただきたいと言う。
十勝厚生労働大臣はフリーランスでスーパードクターである女性が医療の世界で注目されれば他の非正規雇用の女性たちも勇気づけられると発言し、未知子のまえに医師雇用契約書を持ってくる。
「どうぞサインを」
しかし。
「いたしません」
未知子は断った。
戸惑う十勝大臣。
未知子は「返る」と告げて席から立ちあがって、去って行こうとする。
「大門先生」
天堂総長が呼び止めた。
「お座りなさい」
総長の秘書ともうひとりの男性スタッフがやってきて未知子を止めようとする。
未知子は彼らの手を振り払い、天堂総長を振り返る。
「晶さんが心配だからついてきたのに、このひとたち、なんなの? 国とか、選挙とか、意味わかんないんですけど」
「とにかくお座りなさい」
威厳たっぷりに天堂総長は言ったが、未知子はため息をついて横を向く。
「大門術式によって十年後の世界の一億人が救われるんです」
その天堂総長の言葉を聞くと、未知子は深くため息をつき、それから顔をあげて「はあ?」と言った。
「サインをしてください」
「いたしませんと言ったらいたしません!」
強い口調で言うと未知子は横を向いた。
天堂総長は言う。
「神原さんもそれを望んでいるんです」
少し間があってから、未知子は軽く笑い、手を額にやった。
そしてその手をまえへやり、天堂を指さす。
「あんた、医者なんでしょ!」
未知子は天堂総長のほうへ歩いて行く。
「国とか、十年後の世界の一億人とか、そんなご託並べてる暇があったら!」
天堂総長のまえの机に手のひらをバンッと叩きつける。
「眼のまえの患者救ったら!?」
息を呑む天堂総長に向かって、未知子は続ける。
「あたしはそんなものより、たったひとりの大好きなひとのオペをしたいんだよ!!」
未知子はもう一度机に手のひらを叩きつけると、身を翻して去って行く。
「大門先生!」
天堂総長は立ちあがって呼びかける。
「サインをしてください」
頭を下げた。
未知子はさっきまでいたど真ん中にある席の近くで天堂総長を振り返る。
「いたしません!」
そう拒否するのと同時に机をひっくり返した。
驚きの声があがる中、未知子は堂々と歩き、部屋の扉を開けて出て行った。

ワンピースの上にコートを羽織りバッグを持った未知子が階段を降りていく。
「大門先生!」
原先生が階段を駆けあがってくる。
「神原晶さんの容体が急変しました」
「え!?」
「すぐ病院にもどってください」
「……病院にいたの?」
「ええ!」
ふたたび未知子は階段を降り始める。
未知子と原先生は走る。
「あれに乗ってください」
建物の近くにはタクシーが待っている。
「ありがとう」
作品名:かじみちつめ 作家名:hujio