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かじみちつめ

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……この迎えにきたのは、また原先生なのか……、加地先生じゃないんだ……。
タクシーに乗り込む未知子。その隣に原先生も乗ってくる。
「晶さんの状態は? 腫瘍内出血?」
そう未知子は聞きながら、バッグを持っていないほうの手をコートのポケットに突っ込む。
「はい。緊急開頭オペの準備中です。今のMRI画像です」
原先生は自分の物らしき青いスマホを取り出して、未知子に見せた。
未知子はそれをじっと見て、うなずいてから、さっき手を突っ込んでいたコートのポケットから自分の白いスマホを取り出して画面を見る。
そのあいだに原先生は「病院にもどってください」とタクシードライバーに頼む。
未知子は電話をかける。
「止血剤とステロイド投与でもたせて。急いで」
この電話をかけている相手はもしかして……!?
ドキドキしてきました。

病院の廊下、オペ室の近く、晶さんを乗せたストレッチャーを手術着を来た看護師四人と博美が運んでる。
そして、そのうしろから、加地先生……!
加地先生は電話している!!!
「右前頭ふっ頭?開頭だな。わかった」
晶さんを乗せたストレッチャーはオペ室に入っていった。
そのオペ室から看護師?研修医?が駆けだしてきたのに対して、加地先生は「超音波メス用意して」と指示する。
「はい!」と返事して彼が去って行ったあと、加地先生はオペ室のほうを心配そうに見た。
こ、これ、加地先生が電話していた相手、未知子ですね!?
ということは、さっきタクシーの中で未知子が電話をかけた相手は加地先生!?
ってことは、加地先生は未知子の携帯電話の番号を知ってたってことですよね!?
ああ、でも、なにかあったときに呼び出すために知っていて当然か、そういえば病院にいたときに未知子を加地先生が呼び出したことがあったなと確認しました。
ピース又吉モト冬樹回、もしくは加地先生のポケットから未知子がペンライト持って行った事件回、二話、寿司屋の店主の容体が急変したときに、医局の自分の席にいた未知子に加地先生が電話をかけてきて、「はい」「大門」「ん?」のやりとりがあって、未知子が寿司屋の店主の病室に駆けつけるシーン(そして、それから、先に病室にいた加地先生の白衣の胸ポケットから未知子がペンライトを持って行ってという加地未知シーンに続いていくわけですね!)。
しかし。
あのとき、着信音がして未知子が白衣のポケットから取り出したのはガラケーでした!
病院のストラップ付き。
だから、個人の携帯電話じゃなくて、病院用の携帯電話!
未知子がタクシーの中でコートのポケットから取り出したのとは違う。
コートのポケットから取り出したのは未知子の個人の携帯電話。
手術室の近くで加地先生が使っていたのは個人の携帯電話ではなくて病院の携帯電話だったけど、未知子は個人の携帯電話から加地先生用の病院の携帯電話からかけている。
そこから推測されるのは、未知子が加地先生の個人の携帯電話の番号を知っているかどうかは不確定だけれど、加地先生が未知子の個人の携帯電話を知っているのはほぼ確定、ですよね?
タクシーの中で原先生のスマホで晶さんの今のMRI画像を見てから、未知子は自分の個人携帯から電話をかけた。
かけ直しはしなかった。
すぐにつながった相手に指示をした。
このとき、私は、なんで未知子は加地先生が晶さんについているってわかったんだろう?って不思議でした。
それで考えて、難しい手術になるから、病院に残っている外科医のメンツからしたらそりゃ加地先生になるよな、そう未知子は考えたんだろうなって思いました。
でも、その考えは飛躍しすぎているようで、不自然といえば不自然な気もしました。
それで、これを書くまえにさらに考えてみて……。
タクシーに乗り込んですぐ、未知子はコートのポケットに手を突っ込んでいるんですよ。
それから、MRI画像を見たあと、コートから取り出した個人携帯の画面を見ているんですよ。
ということは、未知子は個人携帯の着信履歴を見て、そこから加地先生に電話したと考えるのが自然ですよね!?
加地先生が未知子の個人携帯の番号を知っているのなら、看護師長に「すぐに呼んでください!」と言ったのは不思議でした。
そんなの、加地先生が未知子の個人携帯に電話すればいいだけのことですから。
でも。
あの時点で、未知子は天堂総長に連れられて日本医療産業機構理事会にいた。
あのとき未知子はコートを羽織っていなかった。部屋から出て行くときも手ぶらだった。
つまり、個人携帯はそばになかったということ。
ということは。
加地先生が未知子の個人携帯に電話してもつながらなかったということ。
晶さんの容体が急変したのを聞いた加地先生は、晶さんのいるほうに駆けつけるまえに、未知子に連絡しなければと思って未知子の個人携帯に電話してみたけれどつながらず、そのあと晶さんのいるほうに駆けつけ、それで看護師に「大門どこ行った!?」と問いかけた。
これで、めっちゃつながりませんか!?
天堂総長に晶さんが行ったホスピスを聞いたときの未知子は白衣を着ていました。
つまり、通常に出勤していて、それを加地先生は知っていたはず。
しかし、晶さんの容体が急変したときには、病院にいたはずの未知子の姿が無くなっていた。
晶さんの容体が急変したことを知らせたい加地先生は未知子を捜したはず。
もちろん切羽詰まっているから病院内を探し回るような余裕はない。
それで、未知子の個人携帯のほうに電話した。
でも、つながらなくて、本当にどこに行ったのかわからなくて、だから、看護師に聞いたんですよね?
たぶん、加地先生は海老名たんから、昨日の夜、未知子が晶さんと会いたがっていて、でも未知子は看護師から晶さんはホスピスに行ったと言われていたという話を、聞いたんじゃないかと思います(未知子が天堂総長の部屋に行ったときあたりに)。
それなのに、晶さんの容体が急変したと聞いた。
看護師のよるとホスピスに行ったはずの晶さんが病院にいた。
つまり、看護師は嘘をついたことになる。
だれからの指示かは明白で。
そこから、加地先生は病院に出勤していたはずの未知子がどこに行ったのかを看護師は知っているんじゃないかと推測し、だから聞いたんじゃないでしょうか。
そして、携帯電話では未知子と連絡が取れないから、原先生がタクシーをとばして日本医療産業機構理事会の会場に行った。
未知子は未知子で、タクシーに乗り込むとコートのポケットに手を突っ込んだ。
個人携帯に連絡が入っているんじゃないかと思ったからでは?
もちろん、加地先生から……!
ただし、緊急時のために病院が医師の個人携帯の番号を知っているのは不自然なことではないので、白木看護師長が決断して未知子に連絡することになり看護師が未知子の個人携帯に電話したとも考えられます。
でも、白木看護師長に「大門先生に連絡を!」と言われて去って行った看護師は病院の携帯を持っていた(病院名の入ったストラップを首にかけていたから)。
もし未知子の個人携帯の番号を知っているのなら、去って行かずにその携帯から電話すればいい。
作品名:かじみちつめ 作家名:hujio