あらしのよるに の つづき
<もしもの弐>
(メイが「あらしのよるに」と叫ぶところまで共通)それを聞いたガブは、ピタリと止まり、それと同時に目を開けたメイも、ガブが止まっているのをしげしげと見ました。
そして、メイが、ガブと反対方向の柱に前脚をつけて、そこに顔をうずめ、
「あらしのよるに」
と言うと、その間だけガブが動き、メイが言い終わると同時に、メイは、サッと振り向き、ガブは、ピタリと動くのをやめました。
そんな事を、2,3回繰り返した時、メイが振り向いた瞬間、ガブがふらついてしまいました。
「あーっ! 動いた! 動いた! はい、鬼交代!」
メイが得意げに言うと、ガブは渋々、鬼の位置につきました。
ガブは、前脚を柱につけて、そこに顔をうずめ、
「あらしのよるに」
と言って、振り向くと、メイが、一目散に逃げ出しているのが、見えました。
「待たんかい、こらーっ!」
ガブは、そう叫んで、追いかけて行きました。
作品名:あらしのよるに の つづき 作家名:でんでろ3