ガンダム 月の翅
「ウラアアアァァァ!!!」
シオマネキがクロードから開けた穴から飛び出しもう一体めがけ蹴りを食らわせた。化物が姿勢を崩した隙を狙いレフトアームの巨大な爪を突き刺した。
「ハァッハッハッハハハハこのままえぐり出してやる!」
それは空振りに終わった。化物は操縦者カントが爪が突き刺さるとほぼ同時に球体と繊維をつなぐ神経回路を切断、爪を回避し脱出しており肉塊と化していた。
「逃がすかぁっ」フィリアスは球体が逃げたであろう方向に無造作に荷電砲を放った。三本の爪の開閉によって磁場を発生させてから放つため装填に時間がかかってしまい連射は出来ず、球体を墜とせずに終わった。
「落ち着けフィリアス!ゴミを片付けたいからそいつで焼いてくれ」
「わかりました!跡形もなく消し炭にします!!」彼には関係なかった。狙いを肉塊に定めると爪を開き粒子のチャージを始めた。
「一部だけサンプルとして回収しあとは焼き払う、これ以上汚したくない。よろしく頼…ん?」
クロードがアラクネ部隊への指示を終えフィリアスの方を見ると粒子の固まりがシオマネキの体長の3分の2に匹敵する大きさまで肥大していた。
「フィリアスやめろ!!」
アラクネ部隊は一目散に逃げ、クロードが止めにかかろうとした。
「微粒子一つ残すかよぉ!!消えろぉっ!!!」
山の一角を見事に削り取り極小規模のキノコ雲が出来た。おかげで埋没していた船の一部が露になった。フィリアスは果てていた。