ガンダム 月の翅
「すごいなぁ…何でもあるなあここは」
アキラはラボに来て球体の解析を見学していた。
「えぇ…」
レトは球体のデータを読み取りながら大きく3つのことを考えていた。
球体、この建造物、卵の中の青年、謎が謎を呼んでいた。決してアキラに冷たくした訳ではない。
「あれ、マオ?どうしたの?あ、フィリアスさん、と…えと…」
「それのパイロットのレプリだ」
アキラが見たことのない女性に戸惑っているとフィリアスが投げつけるように言った。
「どうしたんです?」
何故そんな人をここに連れてくるのかというニュアンスもあった。
「マオに聞いてくれ」
こっちが聞きたいと言わんばかりだった。
「マオちゃん、ここはあぶないから戻ろう、ね?」
レトは手を止めてマオに言い聞かせようとしたが声は届かず球体の前まで来てしまっていた。
ヴウゥゥゥ—————ン
起動音がした。その音は球体から発せられ、次には触手がマオへと伸びた。
《こいつがマオを導いた》
直感と疑問と得体の知れない危機感渦巻きながらフィリアスの体はマオを球体から遠ざけるべく動き出していた。
マオを即座に抱え一気に球体から離すと目標を見失った触手は動きを止め、朽ちて砂になり、球体の機能も停止した。マオは正気を取り戻しフィリアスを見つめていた。
「一体あれはどういう物なんだ!」
先ほどの部屋で尋問が再開されフィリアスはいっそう強く責め立てた。この『綺麗な人』にしか聞き出す術がないもどかしさがあった。
「私は乗せられただけで詳細は知らない。ただあれは、人の脳波を感知して作動する、多分」
「よくそんなわからない物に乗る!」「仕方ないだろう・・・任務だ」
「そうやって自分をもてあましてなぁっ」
「クールダウンだフィリアス、話はだいたいわかった。今聞き出せることはその人自身のことだ」
クロードが部屋に入り場を制した。
「さて、教えていただこうかな」