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なかのあずま
なかのあずま
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ガンダム 月の翅

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 アベニールを中心にクロード、フィリアス、レプリが機械巨人の間にいた。
 「この機械は何なの?」
 「モビルスーツと言ってね、宇宙世紀時代から使われ始めた戦争の道具さ」
 「私からも一つ聞きたい。いくつか見覚えのある…このザクとかは当時の物か?」
 「いや、ここにあるオリジナルはシガテラ、ゼルム、アラクネ、デルトロ、アルサザー、ヴェルポットとあとは…」
「オリジナルじゃないのは?」
 「リバイバルはそのザクとデナン・ゾン、ゲドラフ、ベルティゴ、ビギナ・ゼラと」
「リバイバル?」クロードが拾って聞いた。
 「データを元に復元したんだ、といっても見た目だけで性能は比べ物にならないけどね」
 「あの片腕がでかいのはなんて言うんだ?」「シガテラかな?」「シガテラというのか…」フィリアスは俯いた。
 クロードが聞かねばならない事を思い出した。
 「この船の動力源、エンジンはどこにあってどうやって作動させるんだ?そもそも飛ばせるのかな?」
 「単に飛ぶだけならミノフスキーに限界はないさ。でもこの船を帰還船、即ち恒星間移民船として使うのであれば、おそらく今のままでは足りないな」
 「ちょっと待て、恒星間と言ったのか?今」フィリアスの眉間に皺が寄った。
 「そうだよ」
 「ロストテクノロジーと聞いた事はあるが…」
 「二つめの西暦で大きなヒントは得られたけどね、実現させるのは大変だったみたいだ」
 「それでその…足りないとは?」レプリが聞いた。
 「主動部に案内しよう、ついておいで」
アベニールは一同をエンジンへと案内した。そこはアベニールが眠っていた空間のさらに深層部にあった。
 「まるで鍾乳洞だな…本当に船の中なのか?」
 「500年も動いてなかったからねぇ」
草原から深部に下るにつれ、地球を体現しているかのような構造にマントルまであったらたまった物じゃないとクロードは思った。
 「さぁついた」
 ひらけた場所に出た。仄暗い空間、壁がぼんやりと薄明かりを灯す空間はネオ・カンブリアのドームを思い出させた。アベニールは壁に手をかざすと何かを唱え始めた。三人は耳を澄まして彼の言葉を聞いたが覚えのない言語だった。
 《きっと旧世紀時代に使われていたのだろう》彼の邪魔をすべきでないと無意識下で思い、一人として疑問を口にはしなかった。
 —————————アベニールが唱え終えると空気が震えた。スリチュアンの五百年ぶりの鼓動であった。
作品名:ガンダム 月の翅 作家名:なかのあずま