ガンダム 月の翅
「指定ポイント到着、このまま待機します。」
朱く燃ゆる山岳の上空に5体の巨人と6つの球体の黒い影があった。彼らはインダストリア、ヤーパン支部から派遣された一小隊であり、隊長機であるブレッツェルを先頭に球体と交互にV字隊列でホバリングしている。
「ヒノモトさん」隊員の一人が何かを捉えた。
「どうした?」
「山肌に人影のようなモノが」
ヒノモトと呼ばれた先頭機体のパイロット、ジン・ヒノモトは山肌を目視した。
「この辺りで最も近いシエルポリスは?」と聞きながら機体の腕部からレーザーを発し山肌に当てた。
「最付近ですと…トヤマポリス、次にナガノポリスがあります」
ヒノモトはレーザー解析されたデータを見ていた。
「歩けるか?」
「いえ」
「そうだよなぁ!データを並列化する、ギアであれば裂け目から弄れるだろう。一機向かい、残りはここで待機!後に合流!迎撃!」