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なかのあずま
なかのあずま
novelistID. 54195
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ガンダム 月の翅

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 エブリオ族とは遊牧民族である、と言っても原始的なものではなく、ある程度の文明を持ちながら遊牧民をしている。彼らにはそれぞれの役割が与えられている。
族をまとめる長、その下の補佐官、それに次ぐ僧、食物を狩りに行くハンター、治療の手当てをする医療班、そして科学技術班などだ。
ここ一か月ほどはギアナ高地のテーブルマウンテンに集落を構えている。
 クロードがピューマと女の子を連れてテーブルマウンテン上の集落へ戻るとエブリオ族一同にざわめきが起こった。
 「レト!いるか!」「は、はい!」
名を呼ばれた若い娘がクロードのもとへ駆け寄った。
 「こちらを・・・ですか?まずはメディカルの方が」
 「メディカルと合同で頼む。」
 「クロードさんも一緒に」
 「今から長のもとにこの子を連れて行くから…それが済み次第向かうよ」
クロードは女の子を連れ族長のもとへ向かった。

 「ネオ・カンブリア様、クロード・ファウストがめのこを連れて参りました」
補佐のオルドビスが二人を族長のネオ・カンブリアのもとへ案内した。
 集落には直径10メートル程の居住ドームが散らばるように設置されている。その中心に族長のドームがあり、その中の一部屋に長がおり、守るように部屋の前に補佐がいる。
 『その者は、使いのようだ。そなたが上の名を、余が下の名を与える』
カンブリアは全身に布を纏っていた。顔は隠れ、声に抑揚がなく、仄暗く静かな室内では鼓膜を通過し脳髄に響いてきた。
 『イノセンシア』
 カンブリアは子にイノセンシアと名付けた。
 「じゃあ…マオにしよう」
クロードは「マオ」と名付けた。

 女の子の名はマオ・イノセンシア
作品名:ガンダム 月の翅 作家名:なかのあずま