ガンダム 月の翅
「レイ、そこから撃つんだ」
リュウがレイに命じ、レクリアのレールガンの照準がアラクーダに定まった。
レールガンはアラクーダに命中した。アラクーダは火花を散らせ、煙を出しながら沈んでいった。
「よし、うまくいったな。なるべくポイントへの距離を縮めて」
リムにどっと披露が押し寄せた。「よくこんな無茶思いつきますよ!」
「まだ終わりじゃないぞ、リム」「わかってますって!」
リムは慎重にアラクーダの高度を落として行った。
「これで時間が稼げるだろう。着陸したら私がアラクネに乗りポイントに向かう」
「その後はどうするんです?」「えっ?」
「ポイントでエンジンを回収した後はどうするんです?インダストリアの人はこのアラクーダをとるつもりでしょ?」「それは…」
「ったく、さっきの奴といいインダストリアは薄気味悪いもんばっかり造ってやがる、マジでもらうのか?」
「戦力のない今は泥でも貴重だ。それに、結構使えるんじゃぁ無いか?」
パンタのブレッツェル、リュウのザク、レイのレクリアが船の墜落したであろう場所まで向かった。3機がそれらしき所まで来ると船は予想よりも前方に墜ちていた。月明かりの届かぬ山岳の影にあり、レーダーにも移らないので見つけるのに一苦労した。アラクーダ前方にリュウ、右後方にパンタ、左後方にレイと囲い込むように降り立った。
「さぁ、出てこいよ」リュウの声に感情が籠っていた。
しかし連中がいっこうに現れる気配はなく、彼らは銃をとってコックピットから船へと乗り移った。
「私はここから入る、中で落ち合おう」
リュウは船体上部の扉から、パンタは船体後部、レイは搭乗口からそれぞれ乗り込んだ。船内は物静かだが微かに音がしており、彼らはそれぞれの音のする方へ進んだ。
レイは前方に人影を見た、パンタは背後に気配を感じた。
レイは人影に銃を向けた。
「動くな」
「何だ、お前かよ」
人影はパンタだった。
「もぬけの殻みたいだな」リュウも合流した。
「!!!」リュウは《まさか》と閃き、慌てて出口へ向かった。外へ出ると予感が的中していた。3機のモビルスーツが起動していた。
「よう」