ガンダム 月の翅
舞った辺りまで近づこうとすると目の前でまた砂が舞いあがった。
「また潜るよりこのまま進んだ方がいいですね」
「…………全ッ速ッ!前ッ進ッ!!」
メイはアドネスクに鞭を打ち続けた。
そうこうしているうちにいつの間にかチベットに入り、エンジンのポイントに近づいていた。しかし辺りには何も、それどころか人っ子一人見えない。
アキラがポイントの位置を見ると5メートル皿の群があった。
「またありますね、あれ」「あの下にあるって…どうすりゃ…」
「こうすりゃいいの!」
アラウダが舵を奪いアドネスクを皿の上に置いた。
「なるほどね…」ややこしい事にならなきゃいいけど、と言葉は続くがメイの口からは出なかった。
しばらく待っていると何もない砂地に穴が空き、全身防具をつけた3人の人間が現れた。3人はアドネスクを見ると肩にかけていたライフルを構えた。
「え~っと…お手上げ!」
アラウダはアドネスクの両腕を降参の意味を込めてあげた。防具服は構えたライフルからビームを乱射した。
「何で撃つのよぉっ!?」「おろせよばかぁっ!!」
「いいんじゃない?このまま過ごしゃあ」
メイが能天気なのも防具服の撃つライフルはアドネスクには虫刺され程度にすらならなかったからだ。
アドネスクの動きを完全に止めると防具服が近づいてきた。
「…こっちに来ましたね」アキラが窓から確認した。
「彼らは同種です、私が行きます」シルルがそう言うと「わたくしもよろしいですか?」マニが同行の許しを求めた。
「おねがいします」
当然だがシルルは服を着ていた。
「本当に任せていいんだろうね…開けるよ!あんた達は隠れてて」
アドネスクの搭乗口が開き防具服へ手を差し伸べた。
シルルとマニの格好を見た防具服は銃を降ろし、互に顔を見合わせていた。
「武器はないよ」
メイがマニとシルルの間から何も持っていないという手振りを見せた。
「…………お迎えですか?」防具服の一人が尋ねた。
「はい」シルルが答えた。「では、ご案内します」「中へ」
シルルは3人をアドネスクへ招き入れた。