ガンダム 月の翅
面をかぶると暗闇だった世界に色が灯った。
「周りが見えるのはいいけど…」「すごいデザインだなぁ」
ある程度の整理がつき、男が
「お前たちはなんだ」
と聞くとメイとセナがここに至るまでのことを話した。
「そんな事が・・・申し遅れた、私はジャレド・カラット」
「こちらにあるエンジンを譲って頂けないでしょうか?」
「あれは使い方次第でこの世を地獄に変えるかもしれない。私達が必要最小限で使っている。渡せない」
「同じものがあと11個もあります!一個隠したところで何も」「あいつらよりましですよ!」アラウダとアキラは熱がこもっていた。
ジャレドは考え込み、「皆で決めよう」と言うと雄叫びをあげた。それはコロニー内の隅々に響き渡った。
やがて民が集結し、彼らを取り囲んだ。ジャレドが聞き慣れない言葉で来訪者からの言付けを伝えると辺りは静かになった。
沈黙が限界に近づいた時、群衆の一人が立ち上がり「Wait to for industria.」と言った。
「Wait… and… it be done how?」「It's one-sided only by them. We judge industria.」「And?」「If which are vice, we kill it.」
「私たちはあなた方を信頼しています」
シルルが言った。
「ところで」
マニが割って入った。
「あなた方の持つマシーンについて教えていただけないか?」「マシン?」「先ほど鎧と呼んでいたものだ」「ああ、あれは全てここにあった、埋まっていたものだ」「小型のは?」「それは…」
「オーラバトラーではないでしょうか?」ジャレドが言葉を迷っているとセルムが答えた。ジャレドが目を見開くとさらに「バイストン・ウェルでしょう?」と続けた。
「お前達は…」その時、オーラバトラーと呼ばれる蟲型の機体が一斉に動き出した。
「な、なんだ!?」
「みなさん!地上へゆきましょう!」
シルルは地上で起きている異変を捉えていた。オーラバトラー達も上へ行こうとしていた。
「Move! Come here!」
ジャレドは自身のオーラバトラーを駆り一族を引き連れ暗闇へ消えた。
間も無く、コロニー全体が揺れ出し洞窟が崩れるのではないかというまでになった。
「我々も急ぎましょう!」
セルム達も自分の機体に乗りアドラスへ向かった。
アドラスが海底に出ると陸壁が裂けた。亀の甲羅のような、ドームのような形をした船、バレンドラが姿を現した。二隻の船が海上まで浮上した。
メイたちはアドラスの甲板に出るとそれまでの閉鎖的な空間から一気に解放された。
青く澄み渡り、ガリアからの風が吹いていた。