ガンダム 月の翅
第三章~衝突、混沌、そしてそらへ~
ヒノモトの精神は侵されていた。
「あれかぁ!感じたものは!オーラロードが開いたかぁっ!」
ヒノモトの見るスクリーンには蟲のような機体が映っていた。スプウェル・フェムーリオはビームサーベルを構えオーラバトラーの一小隊へ突進していった。
「奴を止めろ!」
「言われなくたって!」
フィリアスとメイの言い合いにクロードの通信が割って入った。
「こちらクロード、お前たちの近くにエンジンがあるぞ!フィリアスを追っている!」
2人は沈黙した、嫌な感じだ。「それって…」「あいつがッ…!」
「あの銀色がエンジンを持っている!」
メイとアラウダはベルポッドとゲドラフで発進した。
アドラスのメインブリッジから見て、一機を相手に優勢とは言えなかった。アキラはいてもたってもいられなかった。「何か他にないんですか!モビルスーツは!?」
「あなたが行ったところでどうにもならないでしょう。よしなさい」
「あなたができるんですか!僕の方が上手いんですよ!」
アキラはモビルスーツのドックに向かった、もぬけの殻同然のドックに。
「くそぉっ・・・!」
自らの頭を叩いた。加勢の道を断たれた・・・かに思えた。
『そうだ!』
アドラスのメインブリッジに戻り舵を取った。
「何をっ!?」「助けに行くの!」
アドラスを泥の民の船、バレンドラの上から限りなく寄せると
「マニさん!このままお願いします!」
と言いアドラスの底面にある脱出口を開けバレンドラに飛び降りた。バレンドラの甲板に降り立つとその先にはオーラバトラーが飛び立ったであろう入り口があった。