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なかのあずま
なかのあずま
novelistID. 54195
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ガンダム 月の翅

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 テーブルマウンテン、太古から重ねられた地球の歴史が露になっている。かつてアウヤンテプイと呼ばれた山の頂にエブリオ族が集落を構えている。奇妙な事にその山の標高2500mより上の地層は一つ、層と呼べるものではなく一枚岩のようになっている。カンブリアが「あの中に目指す場所がある」と告げたこともあり、一族は発掘作業を始めて今に至る。

 「何か見つかったかい!」
メイは声を張り上げた。音がうるさい、さらにクロードがマオを連れてきてから気が気でない。
 発掘は人力だけでなく掘削機やアラクネが使われている。アラクネは手首から先をドリルやナタなどに換えて作業を行っている。
 「姐さん、ありました!」
部下の元へ向かうと、平らな頂上にあけられた穴の中のその奥に扉があった。
 「・・・開くの?」
 「どうやら何重にもなっているみたいで…手だけじゃ骨が折れますよ」
作業用の軍手の手のひらについた疣上のセンサーによってわかった事だった。
 「はぁ・・・コレは?」
扉の中央に手のひら大の十字の窪みがあった。窪みには波紋が描かれ、よく見れば波紋の線一つ一つは何かの文字の羅列のようだった。

 「どちらへ?」「長なら何か知ってんじゃない?」

 「ネオ・カンブリア様、メイ・カルネアが参りました」
『何用か?』
ネオがメイに尋ねた。
 「えーっとぉ、掘ってたら扉を見つけましてぇ、模様のある十字の窪みがあったんすけどなんか知りません?」
「貴様っ!」
側近が激昂しかけたので咳払いをした。さすがにいい加減だったか。
 「我々が発掘調査を続けていたところ扉らしきものを見つけその中央に手のひら大の十字形の窪みがあり私はこれを何かの差し込み口ではないかと考えネオカンブリアさまなら知っているのではないかと思い馳せ参じました!」声を張り上げ早口で捲し立てた。
 『メイ・カルネア、案内を』
側近の二人が族長を専用の駕籠屋にいれると、メイは3人を引き連れ扉へ向かった。
作品名:ガンダム 月の翅 作家名:なかのあずま