ガンダム 月の翅
「マオはまだ起きてないのか」
戦闘終了後、機械人形『ガンダム』はマオをクロードとアベニールのもとに返した。手のひらの上のマオは気を失っており、クロードがいくらゆすっても目を開けなかった。
「まだ早すぎたかな…次からは僕が乗る」
「・・・・・・・・・・」
クロードは一睨みしてマオを自分のドームに運んだ。
引き抜かれたスプウェル・フェムーリオのコックピットには核、メインエンジンがついており、レトはそれをスリチュアン内のラボで解析していた。
「これは…!」
ヒノモトはクロードの尋問を受けていた。
「失礼します、クロードさん…」部屋の扉があきクロードが呼び出され
「………わかった。ヒノモトさん、あなたの機体でなにかわかったみたいです。少し待っていてください。えーっと」
彼は誰かを探している。
「レプリ!レイと頼む!」と言って彼は部屋を出て行った。一人の女性が部屋に入ってきた。
スリチュアンの発掘作業はペースを上げていた。
「ガンダムさーん!こっちお願い!」メイは早速機械人形をこき使っている。
「い、いいんすかねぇ?」「いいんじゃない?割と素直だし」
「せめて何か喋ってくれたらいいんすけど」「モビルスーツがしゃべるわけないでしょ」
クロードは嫌な汗をかいた。
「インダスとリアが・・・不完全とはいえ造っていたとは・・・」
「エンジンを基に作った劣化版というところでしょうか…」
スプウェル・フェムーリオの核と、彼らの集めているエンジンには不完全同一ながらも幾つかの共通点があった。
「あのガンダムがこっちにいる以上いつでも、いや、早いうちに潰さないと…」
レトの背筋に冷たい物が走った。『なんて怖い顔』



