ガンダム 月の翅
アキラがボタンを押すとウゥーンと唸り次第に暗闇が晴れてきた。扉の事があったせいかメイにはあたりまえのことも一コンマ置かなければならなかったようだ。
彼らは次第にやわらかな光に包まれていった。どうやら壁そのものが発光しているらしい。
翌日から総動員による探索活動が始められた。スキャナーで採取、解析したデータによれば、この建築物は少なくとも3kmを超える長さがあり、エレベーターの昇降時間と速度からおよそ500Mの高さがあると思われた。壁を調べると地球上に、それどころか太陽系上に存在するどの物質とも完全には一致しない材質から造られていた。それでも部分的な一致は見られ、パーセンテージが最も高いのは彼らの居住ドームの素材であった。
「わたし達と関係があるんでしょうか?」
「あるしかないでしょうね。」
メイの答えにレトはクロードがかつて自分にした話を思い出していた。
「わたし達ってなんなんでしょう?」
「さぁね」
レトは沈黙した。
「ふぅん、アンタも感じてんだぁ」
「わたし達だけですかね?」
「どーだか…それにしてもすごいなここは」
彼女らは奇妙な場所にいた。3メートルほどの高さの土で出来た物体が草原の中に建っていた。
「旧世紀のスペースコロニーってやつかもね」