二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

機動戦士ガンダムRS 第43話 罪

INDEX|2ページ/5ページ|

次のページ前のページ
 

 しかしヒビキ博士は、全くやめる気配がなかった。
「命は、産まれ出ものよ。
創り出すものではないわ」
 ヴィアは、命がなんであるかを説いた。

      ※

「人は、何を手に入れたのだ。
その手にその夢の果てに」

      ※

「嘘つき。
返して。
あの子を返して。
私の子を」
 ヴィアは、ヒビキ博士に自分の子が失敗で死亡したことを非難した。
「私の子供だ。
最高の技術で最高のコーディネイターとするんだ」
 ヒビキ博士は、自分の子供であるから妻にとやかく言われる筋合いはないと聞く耳を持たなかった。
「それは、誰の為?
貴方の為?
最高のコーディネイターであることがこの子の幸せなの?」
 ヴィアは、スーパーコーディネイター誕生は誰のためかと最高のコーディネイターになることが子供の幸福なのか質問した。
「より良きものをと人は、常に進んできたんだ。
それは、そこにこそ幸せがあるからだ」
 ヒビキ博士は、科学の進歩の先にヒトの幸福があると聞かなかった。
 そしてヒビキ博士は、人工子宮のさらなる改良によって今度こそスーパーコーディネイターが誕生できる理論を改良型人工子宮前で助手たちに説明した。
助手たちは、その説明に拍手喝采がわいたがそれを外から見ていたヴィアは、命を物としてしか扱わない夫の行為に悲しくなり泣き崩れてしまった。

      ※

「知りたがり、欲しがり。
やがてそれが何の為だったかも忘れ命を大事と言いながら弄び殺し合う」
 敵パイロットの言葉にキラ大尉は、これまでの地球軍将校のナチュラルを見下すような言葉を思い出していた。
「勝手なことを言うな」
 キラ大尉は、一瞬の動揺を振り払ってバラエーナプラズマ収束ビーム砲を2発ユーピテルツヴァイに撃った。
しかし回避されビームライフルを7発撃って反撃してきた。
「何を知ったとて。
何を手にしたとて変わらない」
 ユーピテルツヴァイは、ビームライフルをフリーダムガンダムに連射したがキラ大尉は巧みな操縦技術で全てを回避した。
「最高だな人は」
 敵パイロットは、そういうともう1発ビームライフルを撃ってきた。
キラ大尉は、さらに地球軍将校の言葉を思い出した。
「そして妬み、憎み、殺し合うのさ」
 敵パイロットの言葉でさらにキラ大尉は、さらに地球軍将校の言葉を思い出した。
「ならば存分に殺し合うがいい。
それが望みなら」
 敵パイロットの声色には、狂気が含んでいた。
「何を言っているんですか?
独りよがりで偉そうに」
 キラ大尉は、そういうとバラエーナプラズマ収束ビーム砲を撃った。
そしてとうとうビームは、ユーピテルツヴァイの頭部をかすめたが本当にかすめただけで頭部の破壊に至らなかった。
敵パイロットは、逆上してバズーカをフリーダムガンダムに撃った。
キラ大尉は、ラミネートアンチビームシールドで防いだが衝撃で吹き飛ばされた。
だが瞬時に機体のバランスをただした。
「私には、あるのだよ。
この宇宙でただ1人だけ全ての人類を裁く権利がな」
 その言葉にフレイ少尉もキラ大尉も驚いた。
「独りよがりもいい加減にしなさい」
 キラ大尉は、もう敵パイロットの独りよがりなど聞きたくなかった。

      ※

「クローンは、違法です」
 ヒビキ博士は、アルスター当主に警告した。
「法など変わる。
所詮は、人が定めたものだ」
 ジョージ・グレンによってコーディネイターの開発技術が送信されたと同時にそれは、クローンも開発できることになった。
しかしクローンは、さすがに生命倫理に引っかかるとコーディネイター側も禁止していた。
しかしアルスター当主は、すぐにそんなものは変わると思っていた。
「しかし」
 スーパーコーディネイター作成のためさんざん命をもてあそんだヒビキ博士でさえクローン作成には、戸惑っていた。
「苦労の末手にした技術を使わないでどうする。
研究資金が欲しいのだろ?」
 ヒビキ博士の研究は、人工子宮を開発するだけで国家予算に相当する資金が消えていた。
そのため資金調達は、急務だった。

      ※

「君は覚えていないだろうが俺と君は、まだ戦場で出会う前1度だけ会ったことがある」
 敵パイロットの衝撃的な告白をした。
「なんですって?」
フレイ少尉は、驚愕の声を上げキラ大尉は驚きのあまり何も言えなかった。
 
      ※

 アルスター当主は、クローンで作られた自分の赤ん坊を見た。
「ほんとにこれが私かね?
まあいい。
兎も角あとは、これに継がせる。
あんなできそこないに継がせるわけには、いかないからな」

      ※

 しばらくして偶発的に自分の出生の秘密を知ったテッグスは、自分を産み出した全てに復讐を誓いまず手始めに豪邸に火を放った。
その日は、アルスター現当主の誕生日会で夫婦双方の両親も訪れていた。
そこを狙って火を放った。
「大旦那様の奥様と旦那様の奥様のご両親がまだ中に」
 家政婦の1人が燃え盛る屋敷を前に叫んだ。
しかし皆は、呆然とそれを見ているだけだった。

      ※

 敵パイロットは、不敵に笑っていた。
「私は、己の死すら金で買えると思い上がった愚か者である貴様の祖父のサイアム・アルスターのクローンなのだからな」
 敵パイロットの一番の衝撃告白にフレイ少尉は、言葉を失った。

      ※

 ドゴス・ギアのリクリエーションルームでは、シグマン大尉とマーネリー軍曹が戦争前のクリスマスの過ごし方について話していた。
「俺は、男同士でクリスマスを過ごした経験しかなかったな」
 シグマン大尉は、自分の経験談を話した。
「じゃあ今度は、一緒に過ごしましょう」
 マーネリー軍曹は、照れながらささやくような声で誘った。
「そうだな」
 しかしシグマン大尉には、しっかり聞こえておりマーネリー曹長は顔を真っ赤にした。

      ※

 ブライアン艦長は、イームズ艦長と通信で作戦会議をしていた。
「第339遊撃艦隊旗艦マゼランからの通信によりますとコロニー内を偵察に行った中隊長と僚機がまだ帰艦していないようです。
残念ですが撃墜された危険性が高いです」
 ブライアン艦長は、イームズ艦長に自分が推測した現状を報告した。
「そうだな。
そうなると挟撃は、難しいかもしれない」
 イームズ艦長は、状況の難しさを認識していた。
「あくまでこの戦いは、ボアズ攻略戦にあの艦らが参加しないようにするための戦いとしましょう。
目的は、あくまで戦争に勝利するためでありあの艦らを沈めるためではありませんから」
 ブライアン艦長は、自分たちの目的を述べた。
この戦争の目的は、勝利であり戦闘に勝利しなければならないということはない。
無論戦闘に多く勝利した方が戦争の勝者になる可能性は、近くなる。
「そうだな。
自分たちの目的をはき違えた指揮官とその部下は、敗北を味わうのは歴史が物語っている」
 イームズ艦長もブライアン艦長の見解に賛同した。
「こういう時に初心者は、怖くて仕方ない」
 イームズ艦長は、ふと自分の恐怖を漏らした。
「どういうことですか?」
 ブライアン艦長は、イームズ艦長が言っている意味が解らなかった。