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機動戦士ガンダムRS 第46話 怒りの日

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       ※

「創世の光は、残念なことにナチュラルによって消された。
しかしこの光に我等コーディネイターの輝かしき勝利をささげ我等新たなる人類のコーディネイターが作る歴史の始まりの日とするのだ」
 ザラ大統領は、軍人たちを演説で鼓舞した。
その演説に士気は、さらに高くなり地球とザラ大統領をたたえた。

       ※

 撤退したヤキン・ドゥーエ攻略艦隊は、稼働可能な機体を哨戒任務にあてマン・マシーンデッキで損傷した機体の修理を行っていた。
そこは、もはや戦場で怒声が飛び交っていた。
「バイタル低下。
誰か手を貸してくれ」
 1人のパイロットは、命の灯が消えゆく戦友に涙を流しながら処置を頼んだ。

       ※

 ドミニオンのブリッジでは、アズラエル大統領が憤慨していた。
「そうだよ。
まったく冗談じゃない。
これは、今までのたくたやってたあんた達トップの怠慢だよ」
 軍トップと通信で文句を言っていた。
「艦長、チャーチルより救援要請です」
 その時通信士が味方艦が救援をほしがっていると伝えた。
「解った。
すぐに向かうと返信しろ」
 バジルール艦長は、救援に向かおうとした。
「おい、巫山戯たこと言うな。
救援?
なんでこの艦がそんなことすんだよ?」
 アズラエル大統領は、バジールール艦長のやり方が気に食わなかった。
「アズラエル大統領、稼働可能な戦力は1つでも増やしておくべきです」
 バジルール艦長は、補給と整備前に稼働可能な艦やモビルスーツを1つでも増やしておこうと考えていた。
「無事な艦は、直ぐにでも追撃に出るんだ」
 アズラエル大統領の命令は、ほとんど私怨だった。
それに気づいたバジルール艦長は、どう説得しようか必死に考えた。
「そんなことより補給と整備を急げよ」
 アズラエル大統領は、補給と整備を急がせた。
「それは、無茶です。
現在プトレマイオス基地がコロニー軍の襲撃を受けており補給も増援も送れる状況では、ありません。
エンデュミオン基地やローレンツ・クレーター基地に補給と増援を頼んでも基地の規模からいっても大規模な補給と増援が送れないのは、大統領にだってお解りでしょう」
 プトレマイオス基地は、現在コロニー軍の襲撃を受け補給も増援も送れる状況ではない。
エンデュミオン基地やローレンツ・クレーター基地から補給と増援を送ってもらおうにもプトレマイオス基地程の規模がないためバジルール艦長は、アズラエル大統領が納得する戦力は来ないだろうと考えていた。
「そんなことは、百も承知だ。
君こそ何を言っているんだ?
君は、状況がわかっていないのか?
僕らコーディネイターが明日の未来を担わなければならないんだよ。
何がコーディネイターの野蛮な核だ。
ジェネシスを止められる兵器を作るナチュラルの方が遙かに野蛮じゃないか。
そしていつその魔の手が地球を汚すか解らないんだぞ。
討たれてからでは、遅い。
奴等にあんなもの作る時間をやったのは、お前達軍なんだからな。
無茶でもなんでも絶対に滅ぼしてもらう。
要塞とシリンダーを地球が討たれる前に」
 アズラエル大統領の気迫にブリッジにいた皆が黙ってしまった。

        ※

 クサナギ、アークエンジェルとエターナルのモビルスーツデッキでは、M1アストレイの整備が進められていた。

        ※

 ドゴス・ギアのブリーフィング・ルームでは、サオトメが先の大型兵器の報告をしていた。
「発射されたのは、γ線だ。
線源には、核爆発を用い発振したエネルギーを直接コヒーレント化したものでつまりあれは巨大なγ線レーザー砲だ。
もし地球に向けられれば強烈なエネルギー輻射は、地表全土を焼き払いあらゆる生物を一掃するだろう」
 コーディネイターにとって地球は、故郷でありいくら地球の大半をナチュラルに支配されているとはいえ撃つ可能性は極めて低いと皆は考えていた。
「コロニーを撃つ可能性は、あると思いますか?」
 ミサキ中尉がサオトメに質問した。
「最終目標は、そうなるな」
 サオトメの答えに皆の表情が曇った。
「強力な遠距離大量破壊兵器保持の本来の目的は、抑止だ。
だがもう撃ってしまった。
ソーラ・システムも、核も、あれも。
どちらももう躊躇わないだろう」
 ブライアン艦長は、どちらかを滅ぼす殺戮ゲームが始まったと感じた。
「戦場で始めて敵艦を沈めたとき俺は、震えたよ。
だが直ぐ慣れた」
 ブライアン艦長は、自分の実体験を語った。
ハリダ軍曹は、話の重さに耐え切れずうつむいた。
「あれのボタンも核のボタンも同じですか?」
 ミサキ中尉が不安そうに質問した。
「違うか?」
 ブライアン艦長の問いかけにミサキ中尉は、何も言えなかった。
「人は、直ぐ慣れるんだ。
危険なアクロバットも殺し合いも」
 ブライアン艦長は、人の感覚麻痺を説明した。
アクロバットを行う人々がどんどん過激なことをやるのは、刺激が薄れていくからだ。
だからその刺激を求めどんどん危険度が増す。
殺し合いも同じだということだ。
それが分かったシグマン大尉は、苦しい表情をした。
ハリダ軍曹は、シグマン大尉をただ見ることしかできなかった。
「兵器が争いを生むのでしょうか?
それともヒトの心?」
 ミサキ中尉は、無意識に問いかけていた。
「ヒトの心だな。
そしてその狂気が形となったのがあれと核だ。
どちらも絶対に互いを討たせては、いけない」
 サオトメは、ミサキ中尉の問いに答えると皆を鼓舞した。
皆は、その言葉にうなずいた。
「そうなってからでは、全てが遅い」
 サオトメは、討たれてからでは全てが遅いといいシグマン大尉を見た。
「ああ」
 2人は、しばし見つめ合うとシグマン大尉が返事をした。

        ※

「第48及び第211航宙師団の指揮は、以後マグサイサイが執る」
「第15空母軍の残存艦艇は、アインナインの信号座標に集結せよ。
以後第3空母軍に編入とする」
 ユーラシア連邦艦隊は、残存艦隊をどの部隊にするかを急ピッチで決めていた。

        ※

「ミラーブロックの換装は?」
 ザラ大統領は、ミラーブロック換装作業の進み具合を聞いた。
「あと1時間ほどです」
 オペレーターが作業時間を報告した。
「急がせろ。
コロニー軍に動きは?」
 オペレーターに作業を急がせるとクルーゼ少将にコロニー軍の動きを質問した。
「未だありません」
 クルーゼ少将がコロニー軍の動きを報告した。
「ルナツーにも戻らずまだ頑張っているか」
 ザラ大統領は、とっくにコロニー軍がルナツーに帰投していると思っていた。
「奴等も必至でしょうから。
ジェネシスを防がれたとは、いえガンダムを1機失ったのですから。
おそらく補給を暗礁空域で行っているのでしょう。
こちらから仕掛けますか?」
 クルーゼ少将がコロニー軍の動きを推測し仕掛けるかどうかザラ大統領に質問した。
「そのようなことをせずとも2射目で今度こそ終わらせる。
我等の勝ちだ」
 ザラ大統領は、勝利を確信していた。
「では、コロニーを?」
 クルーゼ少将が2射目の目標を質問した。
「再びあのようなことが起きればな」