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ずっと一緒に…

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翌日からのすずめ達は大忙しだった。

おじさんと、もうバングラデシュから帰って
田舎にいた両親に報告と挨拶。

おじさんは、昔自分のせいで
すずめに辛い思いをさせてしまったと
自責の念にかられていたので、

でもそのおかげで馬村くんと
幸せになれたんだと、
やっと罪の意識から
抜け出たような気がしていた。

「すずめぇぇぇ!
よかったなぁぁぁ。」

と、オイオイ泣いていた。

大輝の父にも挨拶に行った。

すずめのことを
高校の時から気に入っていた
大輝の父も、涙を流して喜んだ。

「よかった、本当によかった!
与謝野さん、大輝をよろしくね。」

やはり大輝の父も、
自分が不甲斐ないせいで
大輝を女嫌いにさせたと思っていたので、
感動もひとしおだった。

大地はもう高校生になっていて、
「兄ちゃん、長すぎる春に
ならなくてよかったなぁ。」
とニヤニヤしていた。


そしてすずめはゆゆか達にも
久しぶりの食事会がてら報告した。

「マジで?!すごい!すずめちゃん!」

とキャアキャア大興奮なのはツルとカメ。


「よし、仕方ないから
私たちが結婚式をプロデュースするわ!」

ゆゆかが珍しく立ち上がって決意する。

「仕方ないってどういうこと?」

とすずめが尋ねると、

「バカね。あんたに任せてたら
ダッサイ式場でゴンドラとか
乗って出てきそうだし、
馬村君はなんでもいいとか
いいそうだし、そんなのに
出席する私達の身にもなってみなさいよ!」


ゴンドラ…ちょっと乗ってみたかった…


「ダァボ!!そんな演出の結婚式したら
もう絶交だからね!!」

「えええ~~」

ゆゆかちゃんは相変わらずの口の悪さだ。


「あ、じゃあ、私、すずめちゃんの
ウエディングドレス縫う!!」

ファッション関係の仕事をしてる
カメちゃんが手をあげた。

「じゃあ、私は当日のメイクね。」

メイクアップアーティストとして
修業中のツルちゃんが名乗り出る。


「披露宴会場はおじさんのカフェにして
おじさんの料理食べたい!」

とゆゆかちゃん。

「私料理も手伝う♡」

おじさんファンのカメちゃんがいう。


「ケーキは猿丸んちで頼もうよ。」

「いいね!!それ!」


本人抜きで、あれよあれよと
決まっていく。

でもすずめはワクワクしていた。

「文化祭を思い出すねぇ。」

「ホント!こんなの久しぶり!!」

「でもみんな仕事もあるのに
大丈夫なのかな?」


「何言ってんの!
こんな楽しいこと
やらずにいられるかっての!」

3人で同じセリフを言う。

「そうと決まったら
ゆゆかん家で採寸するよ!」


場所をゆゆかちゃんの実家に移し、
ワイワイ、どんなデザインにするかとか
予算はどれくらいとか、
素材はどうとかっていう話をしてて、

ふとカメちゃんが、

「あっ獅子尾先生も呼んだら?
二人の担任だったんだし。」

ツルちゃんも

「いいね!それ!どうしてるんだろうね。先生。
なんか同窓会みたいだね!」

とノッてきた。


「え……」

ツルちゃんとカメちゃんは、
すずめと獅子尾先生のことを知らないので
無邪気に盛り上がってるけど、

ゆゆかはすずめの顔を伺い、

「馬村くん、あんまり
先生好きじゃないみたいだったから
それはどうかな~。」

と助けてくれた。


「そっかぁ!馬村がそうかもね~。」

と残念そうな顔をしながらも、
二人はアッサリ納得してくれた。


二人のこういうとこが好きだ。

全部受け止めて流してくれる。

もちろんゆゆかちゃんも、
悪態つきながらも
いつも私を心配して助けてくれる。


大輝のことは大事だけど、
その大輝とこうして
結婚するまでに至ったのは、

この3人がいつも自分を
支えてくれたからだと
すずめは思っていた。


失い難いのはこの友達もそうだった。

そしておじさんも、父ちゃんも母ちゃんも、

今まで出逢ったすべての人に

感謝の気持ちを何か返せないかな、

とすずめは思った。

作品名:ずっと一緒に… 作家名:りんりん