うそついてごめんね
「団蔵、何で庄左ヱ門に話しないんだよ!
「だって…、あれじゃあ。
夕食時。
食卓を囲んで久々の忍術学園での食事を摂る忍たま達。
その中で庄左ヱ門の周りにはいつもより多くのクラスメイトが座っている。
「庄ちゃーん、宿題教えて~。
「ぼくもー。春休みなのに宿題出されちゃって~。
「おれもアルバイトが忙しくてさ~。
「乱太郎、きり丸、しんべヱ。いいよ、どこがわからないの?
「「「さっすが!庄ちゃんありがとー!
いつものように成績底辺の三人組が宿題を教わりに学級委員長の庄左ヱ門に集っている。
これでは二人だけで話せない。
しかも今の様子では、傷付いて泣きそうになっていたとは思えなかった。
「あれでおれが庄左ヱ門に『ウソだったんだ、ごめん!』て謝ってみろよ。三人組とか、他のみんなからいろいろ聞かれて、下手すりゃクラス全員から総攻撃が…。
「まぁ…庄左ヱ門のことは、は組みんなが好きだからね。
みんなの庄ちゃんを傷付けたと知れば、加害者の団蔵には報復が待っているのは目に見えていた。
新学期から医務室送りは御免だった。
だが笑顔の庄左ヱ門が裏で抱える陰を思うと、すぐにでも救ってあげたかった。
「じゃあぼくが乱太郎達を退けるから。
「悪い!伊助…。
「団蔵、さっきから何伊助と話してたの?
「え?いや、別にどうってことないよ、虎若。
伊助が庄左ヱ門のそばにいる乱太郎ときり丸としんべヱに声をかけようとした。
「ちょっと…。
「おお、伊助。
「げっ!きり丸…。
話しかける寸前できり丸が伊助に気付いて先に声をかけた。
「『げっ!』ってなんだよ。
「な、何でもない、何でもない!
「そういやあ伊助達に頼んだかなきゃいけないことがあったんだ。
「何…?
「おれこの後一年ろ組の怪士丸のとこ行かなきゃならないんだよ。夕方に図書委員会の集まりがあったんだけど、夕食当番で出れなかったんだ。だから後片付けは団蔵と二人で頼むよ。片付けなら二人でも平気だろ?
「あ、うん。いいけど。
「悪いな~!
委員会では仕方ないと、伊助は言おうとして
(そうだ、この手があった!
団蔵と庄左ヱ門を二人きりにする方法を思いついた。
「そうだ伊助。庄左ヱ門に何か用があったの?
「え、ううん大丈夫、何でもないない!