二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

トラウマスイッチ

INDEX|3ページ/8ページ|

次のページ前のページ
 


お義母さんが来たことを
言うべきかどうか、
大輝が帰ってくるまで
すずめはずっと悩んでいた。

お金をもらってしまったことを
黙っとくなんてできない。

でもお義母さんは黙っといてと言った。


お義母さんはホントに黙ってて欲しいのかな?


もんもんと一人で考えていると
大輝が帰ってきた。

「ただいま。」


「あ...お帰り。」


考えていて、いつの間にか時間が経っていた。


夕食の用意をしながらも、
大輝の顔をみては
ため息をついてしまう。


「何?具合でも悪いのか?」


と大輝に聞かれたので、

「ううん。なんでもないよ。」

とすずめは答える。


そう答えたものの、
言うべきか言わざるべきか考えて
むぅぅぅん!という顔になる。


何だ?という顔をしながらも、
大輝は見慣れない包みに気づく。


「どうした?これ。」


「あ、それはお...人にもらって…。」


「今頃結婚祝い?
ていうかペア?恥ずいな、これは。」


苦笑いしながら
袋から出してみる。


男物がグリーンのチェック、
女物が赤のチェックだった。


すずめと大輝が仲いいと言っても、
さすがにペアルックはしたことがない。


家で着ても誰も見やしないだろうが、
もし見られたらと思うと
大輝もむずがゆくなってきた。


すずめはまだボーッとしている。


「オマエ、おかしいぞ?
何かあっただろ。言え。」

と、ほっぺたをつねられる。


「イタタタタ。にゃんもにゃいって!」

慌ててすずめは言うが、


「オマエのことなんてバレバレなんだよ。
言ってみろよ。」

やっぱり大輝には隠し事ができない。


すずめは覚悟を決めて口を開いた。



「実は…今日、お義母さんが来て…」


「?オマエの?」


「ううん、大輝の…」


「は?」


大輝の顔色が変わる。

「オレの?」


「…なんだよそれ。」

みるみる暗い顔になっていく。


そしてすずめの顔を見上げて、


「家にあげたのかよ。」

「何しにきたんだよ。あの女。」

「なんですぐ言わないんだよ。」

「なんでうち知ってんだよ。」

「あの女に何か言われたのか?」


いっぺんに聞かれてすずめは混乱する。


「待って 待って、大輝。いっこずつ…」

とまどうすずめを見て、


「もういい!」

と、まだ何も答えていないのに
大輝はダイニングを出ていってしまった。


すずめは一人残され、


「え?えっ。え~~~?!」

と茫然としてしまった。


今まで見たことのないような大輝の態度に、
すずめはどうしていいかわからなかった。


作品名:トラウマスイッチ 作家名:りんりん