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美しく羽ばたいて

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翌日、妊婦検診に行ったが、
産婦人科は混んでて、
予約した時間を1時間も過ぎていた。

その間何度もウップとなって
すずめはトイレに駆け込む。

大輝がイケメンとあって、
周りの妊婦たちがソワソワヒソヒソ
大輝を見て、浮足立っていた。

すごいかっこいい旦那さん!
奥さん心配でついてきたのかな?
素敵ねぇ!トレードして欲しい!

変に囁かれて
長い間待たされてることもあって
大輝はイライラしていた。

すずめがたびたび
トイレに立って
待合室に1人残されるので
余計いたたまれなかった。

「馬村さーん、馬村すずめさーん!」

名前を呼ばれて、「あっハイ!」
と大輝が返事する。

「今つわりでトイレ行ってて…」

「あ~わかりました。
ご主人、先に第二診察室へどうぞ。」

看護師は慣れたもんで、
トイレに行って、

「馬村さぁん、大丈夫ですか?
先生診ますから、ちょっと出ましょうか?」

とすずめを呼ぶ。

「う…ハイ…」

グロッキーなすずめが青い顔して出てきて、
診察室に看護師に連れられて来た。

「つわりがひどいねぇ。」

「モノが食べれなくて…」

「今日時間あるなら点滴打とうか?」

お医者さんに言われて
すずめが大輝を見る。

「オレは気にするなよ。
先生、お願いします。」

「じゃあ、お願いします…」

「ハイ、とりあえず心音確認しましょう。」

横に寝て、看護師が腹囲などを測り、
医者が膨らんだすずめのお腹を触る。

大輝はムッとした。

医者といえど、すずめの腹に触るのが
ムカついたのだ。

医者はそれに気づいてか、
ジェルをすずめの腹に塗って
エコーを当てて言った。

「ほら、お父さん、
赤ちゃん、ここが頭ですよ。」


「おっお父さん…」

大輝は初めて言われて戸惑った。

「お父さんでしょ?」

「はい…」

「ここが目で、ここに手があるねぇ。
女の子か男の子か知りたい?」

「もうわかるんですか?」

「生まれるまで
知りたくない人もいるから…
でも最近は3Dだから、
わかっちゃうんだけどね。」


医者はそう言いながら
機器を動かす。

シャーコシャーコシャーコシャーコ

という不思議な音が聞こえてきた。

「これ、赤ちゃんの心臓の音。」

「えっ。」

大輝はイチイチ驚いた。

「うん。しっかり動いてるね。
馬村さん、赤ちゃん元気で順調ですよ。
つわりで頑張ってる甲斐があるね。
二階で点滴の準備させときますから
あがってください。
お父さんも、奥さん辛いの見てるの
しんどいだろうけど、
もうちょっとで元気な子、
生まれるから。
一緒に踏ん張ってやってね。」

医者に言われ、「はい…」と
大輝は素直に返事をしていた。

作品名:美しく羽ばたいて 作家名:りんりん