美しく羽ばたいて
二階の病室で、
すずめは点滴をつながれた。
「大輝、仕事戻る?」
「いや…今日は1日休みもらったから。」
「赤ちゃん、元気でよかったね。
私吐いてばっかりだから
心配だったんだよね。」
「うん…オレ、親父になるんだなぁ…」
「フフ、実感した?」
「うん。もうちょっとだから頑張れって。
最初医者がすずめの腹触ったときは
コイツすずめの腹触ったって
ムカついたけど、
いい人だったな。
今日ついてきてよかったよ。」
「へ?大輝、先生にまで嫉妬したの?」
「……」
大輝は顔を赤くして
黙りこくってしまった。
「こりゃ生まれるのが
男の子だったら
大輝大変だなぁ。
おっぱい飲むんだよ?」
「そりゃ許せねぇ、
ミルクにしろ、ミルクに。」
「そんなのもったいないじゃん!」
「だいたい男だったら、
あの諭吉さんがくれた
どピンクのベビー服どうすんだよ…」
「おじさん…なに考えてんだろね。」
クスクス二人で笑った。